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「打放しコンクリートと共に」 その(103)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」を2回に分け、お送りします。
本日は「1.はじめに」から「5.吉田工法の環境対応型諸材料」までをお送りします。
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1.はじめに
 「目がツーンとする」「頭やのどが痛い」「ゼイゼイする」この様な症状をシックハウス症候群と呼ばれ、建物の高気密化や化学物質を放散する建材・内装等の使用による室内空気汚染が原因とされている。その他、家具・日用品の影響、カビ・ダニ等のアルゲン化学物質に対する感受性の個人差など様々な要因が複雑に関係しているといわれている。日常生活に深く関わるシックハウス症候群は健全な生活環境の破壊に留まらず、健康をもむしばむことに繋がっている。
 この様なことを背景として小社は、自社開発の全ての材料について、徹底したシックハウス対策を講ずることとした。
 本稿は、シックハウス対策と併行して品質、環境及び労働安全マネジメントシステムによるリニューアル工事について打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)の施工事例に焦点をあて述べる。

2.建物概要
 予測される東海地震に備えて計画された静岡県庁西館耐震改修工事と併行して懸案となっていた外壁打放しコンクリートのリニューアルを実施することとなった。
建物概要は次の通り。

建物概要
 建物名称:静岡県庁西館
 所在地:静岡県静岡市追手町9番6号
 竣工年:昭和49年3月
 構造・規模:地下1階、地上10階
外壁面積:8、897㎡
工法:打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)

3.経過年数と劣化症状
 本建物の外周壁は打放しコンクリートで築後32年経過、今まで中高層建築のため適時適切なメンテナンスは施されていなかった。表層面は劣化損傷を示す防水塗材の性能低下、汚染物の付着、ひび割れ、露出鉄筋や不具合箇所の補修モルタルの剥落などが生じていた。新築時表層面に施された各種の補修材は厳しい自然環境に侵され機能喪失し、ひび割れからの酸性雨の浸透は内部鉄筋の錆化膨張を招きその膨張圧による被りコンクリートの押し出し剥離などによって、美観の喪失と周辺環境の安全性が脅かされる状況にあった。
4.リニューアル計画に基づく調査
 周辺環境の安全性確保と美観の回復を目的に外壁を構成する打放しコンクリート表層面を外観目視法に基づき調査した。主な調査項目は次の通り
a)ひび割れ b)露出鉄筋 c)コールドジョイント d)木コン跡 e)コンクリート欠損 
f)ジャンカ g)モルタルの浮き
 調査結果を外壁調査報告書にまとめ、調査結果に基づく項目に従い全項目集計表を作成した。次に集計表より、欠損部のマーキング図を作成、各階各面を図面上に明記した。外壁調査結果報告書の一部を抜粋し図1、写真1に示す。
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5.吉田工法の環境対応型諸材料
 シックハウス症候群の発生原因は冒頭述べた通りであるが、その対応策として建築内外装に使用される諸材料や建材から放散する化学物質を一切含有使用しないことにある。
 2004年生活環境を脅かす有害物質について、吉田工法に包括される新築及びリニューアル対応のシステム工法に使用される全材料について検討した。作業者の労働安全と放散する化学物質による環境汚染や健康被害の防止対策が目的である。使用材料を日本建築仕上材工業会(NSK)に審査登録した。
 その結果、安全性を確保する「F☆☆☆☆」を取得。自主表示登録番号を各材料に表示し、環境対策を期することとした。

次回は、2010年新春第一号となるわけですが、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」の最終回「6.環境対応型材料の登録番号」から「9.おわりに」をお送りします。
今年も余すところあと3日となりました。当ブログをご購読いただきまして誠にありがとうございました。
皆様方におきまして良いお年を迎えられることを心からお祈りして、今年のブログを終わりたいと思います。
ありがとうございました。

さて、この年のニュース、2月16日、兵庫県神戸市ポートアイランド沖に、神戸空港が開港されました。

それでは次回をお楽しみに!

打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-12-28 08:13 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(102)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、月刊建築仕上技術2006年7月号、特集:外壁汚れ防止・除去技術の最新動向「打放しコンクリート・光触媒仕上げシステムについて」を読み切りでお送りします。

1.はじめに
 深刻化する環境問題は打放しコンクリートの美観の維持と劣化防止に課題を提起している。
 築後間もなく発生する汚れの付着は、表層面の仕上げが意匠である打放しコンクリートの意匠性を阻害し美観の喪失を招き、同時に劣化損傷へと繋がる。特に都市部での打放しコンクリート外周壁の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着したものが多く、その汚れは加速度的に拡大することにある。
 このような事象に対応した新技術・工法として、打放しコンクリート仕上げシステムをベースとして新開発された汚染対応型新光触媒(フッ化アパタイト被覆二酸化チタン光触媒)の特長、施工例などを交えて「打放しコンクリート光触媒仕上げシステム」を紹介する。

2.打放しコンクリートの現状と汚染対策
 打放しコンクリートの経年変化を知り得る人は限られているため維持保全の扱いに困惑しているのが現状である。打放しコンクリート建築に継続して携わる設計者、施工者は極めて少なく施主にあっては最初で最後といったところである。

3.打放しコンクリート光触媒仕上げシステムとは
 光触媒には、打放しコンクリートに不可欠な防水機能はなく、表層面の強固な防水処理が必要である。
 従来から防水材として採用されている高耐久性フッ素樹脂やその他有機質防水材に光触媒を直接塗工した場合、紫外線エネルギーにより励起した酸化チタンはその強い酸化力でフッ素樹脂などの有機質防水材を分解し、防水機能を喪失させるため、保護するバリア材のコーティングを必要とした。新開発の光触媒仕上げシステムはフッ化アパタイトを被覆した二酸化チタンでバリア材は不要である。しかも下地の仕上げシステムとの付着は良好で打放しコンクリート仕上げの質感を保持しつつ防水性及び光触媒のセルフクリーニング機能を具備した打放しコンクリート光触媒仕上げシステムである。その基本原理とセルフクリーニング機能を図1に、また、同システムのフローチャートを図2に示す。
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(1)打放しコンクリートに於ける光触媒の機能と応用
 光触媒の塗布面に紫外線が当たると光触媒反応が起き酸化力により塗布面に接触する有機物を分解する。例えば有機物としてカビ、細菌、藻、ウイルス、油脂、車の排気ガス、タバコの煙とヤニ、VOC、悪臭(アンモニア)などである。
 光触媒反応は酸化チタンを消費しないので反応による酸化力は減退しない。したがって、反応は半永久的に継続し酸化力による浄化機能も持続することになる。
 光触媒のコーティングの膜厚はせいぜい1μm程度であり、塗膜に接触しているカーボン、油煙、細菌類真菌類などは光触媒による分解であるため、薄膜であってもその機能を十分に発揮することができる。
 一般的に都市部での建築外壁面の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着した汚れが多く、光触媒によりこの油脂分が分解されて汚れの成分の付着力が弱められ、雨により洗い流される。
(2)光触媒の性状
 打放しコンクリート表層面に施した光触媒とフッ素樹脂の親水性の比較を写真1に示す。光触媒は表層面に馴染んでいるが、フッ素樹脂は水玉となっている。
 光触媒表面に太陽光が照射されることによって、表面に水酸基が発生し親水性となる。水の接触角は10~30°と極端に小さくなり、水玉にならない(図3)。
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 この水が光触媒の作用で分解された汚染物の間に流れ込み、セルフクリーニング機能が生じ付着した汚染物が流れ落ちる。この光触媒反応は酸化チタンを消費しないため、反応によって酸化力は減退しない。すなわち、半永久的に酸化力による浄化機能は維持される。
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4.おわりに
 都市部の環境悪化に伴う汚れの付着は必然的な事象として忍受されてきた。特に打放しコンクリートの著しい汚れは美観の喪失に留まらず建築物としての資産価値を低下させる。そのため定期的なクリーニングが施されそのコスト負担は大きなものであった。
 本システムを構成する新光触媒によって付着汚染物の分解作用と親水性によるセルフクリーニング機能によって打放しコンクリート建築に課せられた難題を解消し美観、資産価値の維持だけに留まらず良好な周辺環境の向上にも寄与するシステム工法である。
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 次回は、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」お送りします。

 さて、この年の重大ニュース、1月20日、 2005年12月に輸入を再開した米国産牛肉にBSE危険部位の脊柱が混入していたことが判明し、全ての米国産牛肉の輸入手続きを再停止しました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-12-21 07:17 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(101)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、建築技術2006年6月号特別寄稿「打放しコンクリートのリニューアル」読み切りでお送りします。
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はじめに
 予測される東海地震に備え,平成16年度静岡県庁西館耐震改修工事に合わせて,外壁打放しコンクリートの耐久性・安全性の付与および美観と意匠性の回復を図るため,リニューアルを実施した。ここに,その事例を紹介する。建物の概要は次のとおりである。

劣化現象
 本建物は築後31年経過,外壁打放しコンクリート表層面は紫外線,酸性雨,炭酸ガス,温湿度変化などの自然現象や大気中に拡散された各種の化学物質に加え,挙動・震動に起因した劣化外力を受け,中性化をはじめとしてひび割れや鉄筋腐食など表層面を著しく汚損摩耗した状況を呈していた。同時に美観と意匠性の喪失に留まらず,躯体の損傷にまで及びコンクリート片の剥落など安全性が脅かされるまでに至った。

劣化現象に対する調査
 県では東海地震に備えて,耐震化工事と併せて経年劣化した外壁打放しコンクリートのリニューアルを計画した。本計画の実施に先立ち,外壁全面にわたり外観目視法に基づき調査した。
 調査項目は,ひび割れ・亀甲状ひび割れ・コールドジョイント・鉄筋の露出・モルタルの浮き・欠損・ジャンカ・Pコン跡・木屑の9項目とした。調査結果に基づいて,発生原因の推定および劣化状況の調査結果を項目別に整理集計し,劣化損傷箇所を図面上に記録した。これらを纏めて,調査結果報告書を作成した。調査結果の一部東面外壁の劣化損傷箇所を図1に示す。
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改修システム
 本改修工事に適応した打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)のフローチャートを図2に示す。
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 工事はフローチャートに示された工程に従い施工した。最初に打放しコンクリート表層面の高圧洗浄,表面強化処理,欠損部のはつり露出鉄筋の防錆処理など躯体の補修強化を施し,表層面の復元,美観の回復後にトップコートには耐久性の高いアクリルシリコン樹脂を塗布した。これらの7工程のうち,主要ポイントは次の2工程である。中性化したポーラスな表層面に,表面強化処理剤の含浸塗布である。珪フッ化物を主成分とした浸透性水溶液で塗布することによって,中性化したコンクリート中に含まれる炭酸カルシウムと反応し,不溶性のフッ化カルシウムが生成される。花崗岩のように結晶化しコンクリートの空隙が充填密実となり,躯体コンクリートの強度と防水性が付与向上される。次は工程4に示された生地調整である。劣化損傷したコンクリート表層面は汚染物の浸透と付着などにより黒ずみ,本来のコンクリートの色相は喪失している。このようなコンクリートの色相を回復させる生地調整工程は,コンクリート表層面の健全化と美観の回復に寄与し,甦らせる重要な工程である。

 おわりに
 本工事に供した打放しコンクリート若返りシステムは,1975年に開発され幾多の改良を加え今日に至っている。遡ること1989年,静岡県庁舎東館(地下1階・地上18階・12,100㎡)は,このシステムで施工した。以降17年経過したが劣化現象は見られず,打放しコンクリート表層面の維持保全状況は良好でメンテナンスフリーである。本工法による施工は500物件余を数え,45万㎡に及ぶ実績を有している。
 なお当社は,ISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム),並びにOHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)の三つを統合したマネジメントシステムに基づき施工を実施している。
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 次回は、月刊建築仕上技術2006年7月号、特集:外壁汚れ防止・除去技術の最新動向「打放しコンクリート・光触媒仕上げシステムについて」を、お送りします。

 さて、この年の重大ニュース、9月26日、小泉内閣が総辞職し、阿部内閣が発足。組閣は[総理]安倍晋三、[総務]菅義偉、[法務]長勢甚遠、[外務]麻生太郎(再任)、[財務]尾身幸次、[文部科学]伊吹文明、[厚生労働]柳沢伯夫、[農林水産]松岡利勝 (後に自殺)、[経済産業]甘利明、[国土交通]冬柴鉄三(公明)、[防衛]久間章生(後に辞任)、[規制改革・行革]佐田玄一郎(後に辞任)。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-12-14 07:20 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(100)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、「打放しコンクリートと共に」 その(100)、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」、最終回「4.セルフクリーニング機能と性状」から「5.おわりに」をお送りします。

4.セルフクリーニング機能と性状
 部材表面の意匠性の維持保全は打放しコンクリートに不可欠要素である。本ボードに採用されるNY-セラクリーンは、ケイ酸塩を加水分解した無機コーティング材で無色透明の塗膜を形成し、意匠性を阻害することがない。塗膜の親水性の働きにより雨水が汚れの下に入り込み汚れが浮き上がり雨水と一緒に流れ落ちる。
 NY-セラクリーンの性状は次の様である。
 塗膜表面に-OH(親水基)が並び親水性表面となる。光触媒と異なるところは、直接塗布できることの外、日射を必要とせず水(雨)だけで汚れを除去する。ボードとの接触角が小さければ水は濡れ広がりセルフクリーニング効果を発揮し、大きければ水滴となり汚れの原因となる(図4)。
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5.おわりに
 本ボードの外断熱とセルフクリーニング機能は、深刻化する地球環境とそれに伴うヒートアイランド現象や大気汚染などに対応し、同時にこれら汚染物質の付着による建物外装を保護、美観の維持保全に寄与するものである。
 断熱効果による冷暖房効果の節減とセルフクリーニングによる美観の保持は建物の維持保全管理経費の削減に留まらず資産価値の低下を抑制することにも繋がる。 
 懸案であった小規模建築物に打放しコンクリート意匠を具備したボードの開発により、打放し建築が身近なものとなり低コストで手軽に設計・施工が可能となった。しかも外装用建材分野に打放し意匠を具備したボードに留まらず、二つの環境対策に呼応した外断熱とセルフクリーニング機能は将来ボードに限らず建築物の外装には必需化されるものと思われる。
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 次回は、建築技術2006年6月号特別寄稿「打放しコンクリートのリニューアル」をお送りします。

 それでは次回をお楽しみに!

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 「打放しコンクリートと共に」シリーズも100回を迎えることが出来ました。
 これも偏に多くの読者の方々に支えられながら出来たものと感謝いたしております。
 打放しコンクリート建築に携わって51年1970年の大阪万博を初めとして皇居新宮殿、新御所と著名な打放しコンクリート建築の仕上げに参加させて頂きました。
 爾来、地球規模の環境悪化に伴う経年劣化にあえぐ打放しコンクリートの再生工事と時代の変化を共に受けながら、新技術の開発を続けて参りました。
 これからも、信頼いただける打放しコンクリート仕上げ技術に一層の磨きを掛け邁進していく所存でございます。
 今後とも、どうか変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

                                      By pikayoshi72
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by pikayoshi72 | 2009-12-07 07:17 | ブログ