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「打放しコンクリートと共に」 その(90)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向を4回に分けご紹介します。本日はその最終回「6.打放しコンクリート光触媒仕上げシステム」、「7.おわりに」をご紹介します。

6.打放しコンクリート光触媒仕上げシステム
 光触媒には、打放しコンクリートに不可欠な防水性はなく、しかも防水材として多く採用されている超耐久性フッ素樹脂やその他有機質防水材に光触媒を塗工した場合、紫外線エネルギーにより励起した酸化チタンはその強い酸化力でフッ素樹脂などの有機質防水材を分解し、防水機能を喪失させてしまう。そこで打放しコンクリート仕上げの質感を保持しつつ防水性、防汚性にセルフクリーニング機能を付与した工法が打放しコンクリート光触媒仕上げシステムである。
 本システムは、打放しコンクリートの保護・再生システム(STEP1・STEP2)と組み合わせることにより、防水性、防汚性、高耐久性プラス、セルフクリーニング機能を具備したもので、打放しコンクリートの最新仕上げ技術である。トップコートにコーティングされた光触媒に紫外線が当たることによって活性酸素が形成され、その分解力と降雨によって表層面に付着した汚れを洗い流し除去する。この汚染物の分解とセルフクリーニング機能を有した光触媒を積層した新仕上げシステムである。

6-1 光触媒仕上げシステムの3タイプ
 打放しコンクリート光触媒仕上げシステムには、STEP-1・STEP-2と無機質防水材からなるNY-バリアコートとの組み合わせの3タイプがある。各々を組み合わせることにより、コンクリートの表層面に強固な防水層を形成する。NY-バリアコートを除き、STEP1・2に無機質バインダーをコーティングし各々トップコートに光触媒を塗工する。この積層工程により、防水性・防汚性・セルフクリーニング機能が付与される(写真9)。
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6-2 光触媒仕上げシステムの基本原理
 光触媒仕上げシステムの基本原理を図8に示す。
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6-3 NY-バリアコートの特長と性状
 NY-バリアコートは粘度と表面張力が水より小さいためコンクリートに深く浸透し、コンクリートの遊離石灰、シリカ質と反応して、内部の空隙を疎水性無機質結晶で充填し緻密化する。
 緻密化した疎水層は雨水の浸透を防ぎコンクリートに強固な無機質防水層を形成する。
 NY-バリアコートの性状を表1に示す。
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6-4 光触媒の性状
 打放しコンクリート表層面に施した光触媒とフッ素樹脂系の親水性の比較を写真10に示す。光触媒は表層面に馴染んでいるが、フッ素樹脂は水玉となっている。
 光触媒表層面に太陽光が照射されることによって、表面に水酸基が発生し親水性となる。水之接触角は10~30°と極端に小さくなり、水玉にはならない(図9)。
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 この水が光触媒の作用で分解された汚染物の間に流れ込み、セルフクリーニング機能によって付着した汚染物が流れ落ちる。この光触媒反応は酸化チタンを消費しないため、反応によって酸化力は減退しない。即ち半永久的に酸化力による浄化機能は維持される。

6-5 打放しコンクリート光触媒仕上げシステムのフローチャート
 打放しコンクリート光触媒仕上げシステムのフローチャートを図10に示す。
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1)打放しコンクリート仕上げシステムSTEP-1・STEP-2の工程完了後、無機バインダーを塗工する。NY-バリアコートは防水層を形成し、且つ無機質バインダー機能を果たす。
2)無機バインダー及びNY-バリアコートの乾燥確認の上、光触媒を20~50g/㎡を吹付塗工する。

7.おわりに
 長年の課題であった打放しコンクリートの高耐久性付与は、STEP-1・2によりほぼ解消したといえよう。しかし、深刻化する都市部の環境悪化に伴う汚れは必然的な事象として、避けて通ることが出来ないものとされてきた。特に打放しコンクリート表層面の著しい汚れは資産価値を減少させるため、美観と資産価値を維持するためには、定期的なクリーニングが必要である。
 光触媒によって生ずる自浄作用の防汚性、セルフクリーニング機能は、その果たす役割は計り知れないものがある。今日まで打放しコンクリートの宿命とした汚染物の付着が、光触媒の実用化によって、美観の維持だけでなく建物の資産価値の観点からも、画期的なことといえるのではなかろうか。

 次回は月刊建築技術2003年8月号テクニカルビュー「セルフクリーニング機能を持った外断熱打放しALC外壁」を読み切りで、お送りします。

 さてこの年、最後の重大ニュースは、2月1日、米スペースシャトル・コロンビア号が大気圏再突入時に空中分解、搭乗員7人全員が亡くなりました。NASAは8日コロンビア号空中分解の原因をシャトル左翼の断熱材損傷が直接原因と、最終報告をしていました。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-09-28 07:26 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(89)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向を4回に分けご紹介します。本日は第3回「4.経年劣化対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP−2」、「5.打放しコンクリート若返りシステムの工程」をご紹介します。

4.経年劣化対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP−2
 打放しコンクリートの表層面は、脱型直後から日射・酸性雨・海塩粒子・温湿度変化等の自然現象とその他化学物質などの化学的作用や挙動・振動に起因した物理的作用を受け、これらに起因して、ひび割れ・中性化・鉄筋腐食や凍害などコンクリート表層面より躯体へと著しく劣化汚損し、意匠性の喪失と躯体の損傷にまで至る(写真5〜8)。
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 この様な打放しコンクリートの劣化損傷にはSTEP−2で対応する。

4−1 調査診断と選定
 竣工後の初期点検(2年以内)及び定期点検(10年以内の周期で実施)によって、経年期における劣化損傷状況の調査診断をし、その結果に基づき再生システムの選定をする。

4−2 調査診断
 調査方法は、外観目視法により調査項目は、ひび割れ・露出鉄筋やジャンカなど9項目とする。調査結果に基づいた原因の推定と劣化項目に従い集計表に詳細記録する。
調査項目は下記の通りである。
ひび割れ(0.5㎜未満及び0.5㎜以上)・露出鉄筋・コールドジョイント・ジャンカ・モルタル補修跡・モルタル浮き・木コン跡・欠損

4−3 STEP−2を構成する再生システム
 経年劣化した打放しコンクリートの再生技術としてSTEP−2を提案、調査診断結果に基づく劣化度に対応した再生システムを選定する。適用再生システムの概要は次の通りである(図3)。
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1)打放しコンクリートFMシステム(劣化度・中度)
 打放しコンクリートの表層面が中度の劣化状態で、表層面を活かしつつコンクリート強化剤を含浸塗布することによりコンクリートを内面より強化し、劣化部に対しては、限定消去法で対応し更にトップコート塗膜型に防水材を塗布する。
2)打放しコンクリート若返りシステム(劣化度・重度)
 築後15〜30年余りで劣化損傷が重度と診断されたもので、劣化した打放しコンクリートを内外面から補修・再生する。露出鉄筋の防錆処理を始めとする本格的な補修・修整を施し、元設計の型枠模様を復元甦らせ更に高耐久性防水材を塗布する。

5.打放しコンクリート若返りシステムの工程
 劣化度に準じた打放しコンクリート再生システム、STEP−2のうちFMシステム及び若返りシステムについてフローチャートに基づき工程の詳細を示す。なお、劣化度・軽度については、劣化損傷がFMシステムに比較し、軽微であることの外、工程は同一であるため割愛する。

5−1 素地調整
(1)コンクリートの表層面を高圧水で洗浄し、汚れやほこり等を除去。
(2)空隙を伴う砂利・アバタは叩き落とす。
(3)表層面に付着した鉄筋の錆及び染みは、ケミカルエースR(当社製)を用い洗浄。

5−2 NY−606表面強化処理剤の塗布
 刷毛・ローラーを用いて、1㎡当たり200gのNY−606を含浸塗布する。
 NY−606は各種特殊添加剤を加えた珪弗化物を主成分とする浸透性の水溶液で、中性化したコンクリート中に含まれる炭酸カルシウムと反応し、不溶性の弗化カルシウムが生成される反応型無機質系コンクリート強化剤である。
 NY−606を含浸塗布することにより、不溶性の弗化カルシウムが固着され花崗岩質のように結晶化し、コンクリート空隙を充填して強度・防水性が向上する。また、酸に対する抵抗性が向上し表面症状が改善されコンクリート自体の耐久性が付与される(図4)。
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2CaCO3+MgSiF6=2CaF2+MgF2+SiO2+2CO2

5−3 欠損部の処理
 各種劣化欠損部に対する処理方法を以下に示す(図5)。
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5−3−1 露出鉄筋部
(1)腐食している鉄筋の周囲を入念に斫り取る。
(2)錆化鉄筋は、ワイヤーブラシ・電動ケレン機等を使用し、錆を除去する。
(3)錆化鉄筋にNY−特殊防錆材を塗布。
(4)NY−7000プライマーを下地部分に塗布する。
(5)斫りの深さにより1〜3回に分け、NY−調合樹脂モルタルを塗り付ける。コンクリートの表層面(仕上面)より1〜2㎜程度下げる。

5−3−2 ひび割れ部(コールドジョイント含む)
(1)ひび割れに沿って幅12㎜程度、深さ15㎜程度にU字型の溝を設ける。
(2)Uカット溝部に付着している斫り片、粉塵を刷毛で除去。
(3)Uカット溝底部にウレタンプライマーを塗布。
(4)プライマー塗布後、ウレタンコーキングを充填。Uカット溝底部から5㎜厚とし、充填後はヘラで押さえ下地と密着させて表層面は平滑に仕上げる。
(5)NY−エラスティックフィラーを塗布する。
(6)NY−エラスティックモルタルを充填する。(注:0.2㎜以下のひび割れは、NY−エラスティックモルタルによるシゴキ充填)

5−3−3 既存補修モルタル部
(1)浮きヶ所の既存モルタルは除去する。
(2)刷毛・ブラシ等で汚れ・ほこり等を除去する。
(3)NY−7000プライマーを下地部分に塗布する。
(4)斫りの深さにより1〜3回に分け、NY−調合樹脂モルタルを充填(図6)。
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表層面から1〜2㎜程度下げる。

5−4 修整用NY−調合樹脂モルタルのコテ塗り
 欠損部を処理した箇所の周辺部との色違いがあるため、修整用NY−調合樹脂モルタルをコテ塗りしコンクリート表層面(仕上面)に準じて平滑に仕上げる。

5−5 素地全面生地調整
(1)表層面の色相調整をする。NY−調合樹脂生地調整材(NY−7000)〔特殊アクリル樹脂系:カラーコート:浸透剤:特殊添加剤〕
(2)ひび割れに追従するNY−調合樹脂生地調整材(NY−8000)〔特殊アクリル樹脂系:カラーコート:浸透剤:特殊添加剤〕の塗布。

5−6 型枠模様復元
 カラーコート〔特殊灰汁:浸透剤:添加剤〕及び型枠模様造成具により復元する。

5−7 トップコート
 浸水抵抗の高い緻密な皮膜を形成、高耐久性を付与するトップコートNY−8090(9090)を塗布する(図7)。
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 以上、打放しコンクリートの誕生からリニューアルに至る過程で表層面に生じる現象に対し、STEP−1及びSTEP−2の対応技術について報告した。
 素材感が生命である打放しコンクリートは補修・再生によって質感を損ない、設計意図が活かされない様なものであってはならない。STEP1・2によって、打放しコンクリートに拘わる保護・再生の技術的問題点は解消し得るといえるが、最近の環境問題は打放しコンクリートに新たな課題を提示している。
 その顕著なものに築後間もなく発生する汚れがある。表層面が意匠である打放しコンクリートは、汚れによって素材の生命である意匠性が阻害されて美観を低下させる。
 特に都市部での打放しコンクリートの外周壁の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着したものが多く、その汚れは加速度的に拡大することである。
 この様な事象に対応した技術として、「打放しコンクリート光触媒仕上げ」が上市された。打放しコンクリート表層面の汚れに自浄作用を付与したセルフクリーニング機能を有した新工法である。

 次回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向の最終回「6.打放しコンクリート光触媒仕上げシステム」、「7.おわりに」をお送りします。

 さてこの年の重大ニュースは、10月1日、東海道新幹線品川駅が開業、東京・六本木に六本木ヒルズが開業されました。そして12月1日、地上デジタルテレビジョン放送が東京、大阪、名古屋で放送開始されました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-09-21 07:49 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(88)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向を4回に分けご紹介します。本日は第2回「3.新築対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-1」をご紹介します。

3.新築対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-1
3-1 脱型と保護養生
 打放しコンクリート表層面の保護対策は、脱型と同時に対応することが好ましい。竣工に至るまでの間、打放しコンクリートは多種多様な関連作業による表層面の汚損が避けられない。その外、脱型時に生じる不具合は、打設技術によるもの以外に不注意な作業者によって生じたものも少なくない。脱型時のバールのかけ方の配慮不足による、角欠けや表層面の摩擦傷等があり、寸法出しのための墨打ちなどは除去が困難で、打放しコンクリート現場では安易に扱われる作業の一つである。
 一般的には、工事期間中の表層面保護に、ビニールシート等による養生が行われているが、表層面を緻密に覆う事が難しいだけでなく、自然環境下でのコンクリートの養生固化を阻害し、しかも風雨に煽られ現場作業者の災害に繋がることが懸念される。
 上層階のコンクリート打設に伴うセメントノロ、型枠のアクや鉄筋の錆汁は表層面を流下付着する。工事竣工まで放置することにより内部に浸透付着し、より強固となり、洗浄しても除去できないため表層面を汚損し意匠性を著しく低下させる。
 脱型から竣工に至る間の打放しコンクリート表層面の養生方法に次のようなものがある。
 型枠脱型後、直ちに表層面にガードシーラーを塗布する。本材は防汚性を有し、上層階のコンクリート打設時に生ずる諸々の汚染物に対する付着防止作用とコンクリートの乾燥養生に不可欠な毛管空隙を塞ぐことなく保護し気体の透過性を確保することを目的としたものである。
 防汚材・ガードシーラーは打放しコンクリート表層面の素材感を失うことがなく、従来のシート養生方法と比較して簡易で作業上の安全性とコストに効果的である。

3-2 建設現場の現状
 多くの施工現場では、不具合箇所の発生は予測していないため、その対応策も施工計画の中に含まれていないところが多い。
 現実には不具合のない打放しコンクリートは稀で、様々な不具合が生じ対策に苦慮している。しかも発生した不具合箇所の対処方法によっては、最終の仕上材の塗布によって前工程の処置材料の変色・斑模様などによって、表層面の意匠性を著しく阻害し施工不良に繋がる。
 特に注意を要する仕上材の一つにフッ素樹脂仕上材がある。高耐久性の付与を目的として塗布されるが、打放しコンクリート表層面の不具合箇所の補修材が、塗布することによる変色・ムラ・濡れ等の意匠性を阻害することが多い。そのため塗材に着色顔料を添加して補修跡変色を抑制する方法が行われているが、打放しコンクリートの素材の持つ質感を低下させることがある。

3-3 補修と仕上げの分類
 現状では打放しコンクリートに生じた不具合箇所に関する施工分野の位置づけがなく、下地補修と仕上げの仕切が不明確である。仕上げ分野は表層面の意匠性を復元するための不具合箇所の修整・消去と、それを保護、高耐久性を付与する仕上材の塗工で、不具合箇所のポリマーセメントモルタルによる下地補修は前段階の左官工事の分野とされる。

3-4 不具合ヶ所の調査
 ガードシーラーによる養生後、表層面の不具合箇所の調査が不可欠である。ひび割れ・ジャンカ・コールドジョイント・色ムラは当然として、養生前に付着したセメント・セメントノロ、エフロレッセンスや錆汁など頑固な汚れも不具合ヶ所に準ずる。

3-5 不具合ヶ所の下地形成
 ジャンカ・コールドジョイントや角欠け等、欠損ヶ所の形状・大きさ等状況により下地形成に適応した補修材の調合をする。
 下地補修モルタルは付着・引張強度(0.98N/㎜2以上)が満たされるポリマーセメントモルタルであればよい。成形補修は左官工により仕上げ面より2~3㎜下げて成形する。

3-6 養生
 ポリマーセメントモルタルによる下地補修後、乾燥養生する。養生不足のまま次の修整消去は、補修材のひび割れや変色等の不具合を引き起こす。

3-7 表面洗浄
 表層面に付着した汚染物の洗浄除去とし、洗浄によって除去出来ない浸透した汚染物は、表層面に対応した消去技術により行う。

3-8 不具合箇所修整消去技術
 不具合箇所補修成形後、表層面に散在する不具合箇所の修整・消去工程は次の通りである。
 あらかじめ工場生産された6種類の既調合の修整・消去材と、同一修整消去材で塗工された6種類の選定プレートを不具合ヶ所周辺健全部に合わせ修整消去材を選定する。
 従来、職人の熟練度と勘によって、その都度不具合箇所に合わせた修整消去材の調合を施工現場にて行っていたが、本選定プレート方式により合理的な精度の高い修整消去材の選定施工を具現した。
 選定された修整消去材を下地成形補修材の乾燥養生を確認の上、表層面に合わせ塗工する。

3-9 修整消去材の仕様と性能
1.不具合箇所周辺の表層面と一体化した色調であること。
2.変色・ひび割れや乾燥収縮がない。
3.不具合箇所の痕跡を修整消去し意匠性の復元が容易であること。
4.仕上げ塗材による濡れ・ムラ・変色等修整消去材に変化や影響を与えないこと。
5.経年劣化が躯体コンクリート同等、ないしはそれ以上の性能であること。

3-10 修整消去ヶ所の型枠模様造成
 修整消去後、喪失した型枠模様をカラーコート及び特殊工具により造成する。

3-11 特殊浸透性吸水防止材の塗布
 打放しコンクリートのピンホール及び毛管空隙の防水下地として特殊浸透吸水防止材Aシーラーを含浸塗布する(150g/㎡)。

3-12 塗膜型防水材の塗布
 A・Bタイプ共、特殊浸透性吸水防止材Aシーラーを塗布乾燥養生後、塗膜型防水材 NY-7090を2回塗布する(図2)。
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3-13 高耐久性防水材、Aタイプ・Bタイプ
 NY-7090塗布乾燥養生後、フッ素又はアクリルシリコン樹脂系防水材を塗布する。塗布することで濡れ色・ムラや変色等、不具合消去箇所を際立たせ表層面の意匠性を損なうことなく一体化し意匠性と高耐久性を付与する。

 次回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向の第3回「4.経年劣化対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-2」、「5.打放しコンクリート若返りシステムの工程」をお送りします。

 さてこの年の重大ニュースは、イラク復興支援特別措置法を前提に非戦闘地域を特定できないまま、世論の反対が多い中で、対米関係を重視する小泉首相の判断で12月9日、自衛隊のイラク派遣が決定。26日に航空自衛隊の先遣隊が出発しました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-09-14 07:23 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(87)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向を4回に分けご紹介します。本日は第1回「1.はじめに」および「2.打放しコンクリート仕上げ・LC(ライフサイクル)について」ご紹介します。
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1.はじめに
 打放しコンクリートは、国内外の著名な建築家により歴史的な建造物に多く採用されてきた。近年に至ってそのコンクリートが持つ素材としての重厚感と簡素な造形の美しさが多くの人々の心をとらえ生活空間の癒しにまで至っている。
 こうした素朴な仕上げにも拘わらず打放しコンクリート建築の施工においては、やり直しのきかない一発勝負で、建設にあたり万全の施工管理と、細心の注意を払ってしても、不具合の発生は避けられないことが多い。
 とりわけ表層面は仕上げ面であるため不具合の発生は、打放しコンクリートの生命である表層面の意匠性を損ない、しかもそれらに起因した汚れの発生や耐久性の低下が指摘されている。このような観点から打放しコンクリート表層面は、意匠性や耐久性に関わる極めて重要な部位といえる。
 これらを背景として、打放しコンクリートに求められる基本的要素として美観と耐久性が挙げられる。
 つまり新築時に於いては、躯体表層面と意匠性を保護するための保全技術が不可欠であり、一方、経年劣化した打放しコンクリートにあっては、再び新築時の躯体表層面の強化と意匠性回復を期した耐久性付与によるリニューアルが求められる。
 そこで、打放しコンクリート仕上げの脱型時より始まる維持保全技術と経年劣化による再生技術に至る一貫した保全とリニューアルで構成するシステムについて提案する。
 新旧打放しコンクリートに生じた各々の対応技術として、新築にあっては維持保全の付与、劣化損傷したものには再び甦らせ健全化を目的とする。新築時の快適な居住空間の再生は、衰退する街づくりの復活と良好な社会資産の再構築に供し、スクラップ アンド ビルドを抑制することにより地球環境の保全にも貢献するといえる。
 打放しコンクリート仕上げの計画・設計段階から改修・再生に至るまでの要点を、21のキーポイントにピックアップし、PEC21(パーフェクト エンジニャリングド コントロール21)として提示、これらを打放しコンクリートのライフサイクルに纏めた。

2.打放しコンクリート仕上げ・LC(ライフサイクル)について
 使用者・設計者・施工者により構成し、各々の立場から求められる要求項目を抽出し、脱型から仕上げまでの問題点を明確にして、一貫性を持たせたものとする。例えば、脱型するまで予測不可能な表層面に生じるジャンカ、コールドジョイント、はらみ、ピンホールや錆汁など不具合(写真1~4)に対し、対応処置を事前想定し、完璧な打放しコンクリート仕上げとする過程をSTEP-1とする。

 次に築後、経年劣化した打放しコンクリートを再び甦らせる若返り工程をSTEP-2とした。STEP-1とドッキング、打放しコンクリートのライフサイクルとし体系的に構成したものである。
 打放しコンクリート仕上げ・LC(ライフサイクル)に於ける2つのシステム対応図を図1に示す。

 次回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向の第2回「3.新築対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-1」をお送りします。

 さてこの年の重大ニュースは、米軍がイラクに侵攻!3月20日、ブッシュ米大統領はイラクに対する武力攻撃を開始し、英国・オーストラリアもこれに追従した。圧倒的な軍事力で4月9日バグダッドを陥落。フセイン体制は事実上崩壊したが、多くの国民が殺され主要機能が破壊され、治安も悪化、国内は混乱した。「イラクが隠し持っているとされる大量破壊兵器を将来テロリストに渡す可能性がありアメリカが攻撃されるおそれがある」というあいまいな理由での先制攻撃だったが、いつの間にか「フセイン政権の打倒とイラク市民の解放」と目的がすり替えられ、石油利権も見えかくれした。国連や国際世論の反対を無視したアメリカ独走に対して、世界中で平和を求める市民レベルでの反対運動が巻き起こった。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-09-07 07:15 | ブログ