「ほっ」と。キャンペーン

<   2008年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

「打放しコンクリートと共に」 その25

こんにちはpikayoshi72です。

今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は最終で「4.打放し仕上げに対する一つの提案」(3)不具合の修整、(4)型枠模様の造成・防水、最後に「まとめ」 をご紹介します。

4.打放し仕上げに対する一つの提案
(3)不具合の修整
 じゃんか(巣穴)、欠け、ピンホールなどの不具合を発生している部位のコンクリートの色に合わせたNY-調合樹脂モルタルで、充填修整する。この材料は、前述した補修材料としての性能(付着性、強度、不変色など)を有するものである。

(4)型枠模様の造成
 不具合を修整した部分には、型枠模様がなく、躯体のコンクリートと相似した修整であっても自然の風情は得られない。そこで、健全部分の表面に見られる型枠模様を再現することが必要となる。各種顔料を調合したNY-カラーコートを型枠模様造成用材料として使用する。最近の打放し仕上げは、樹脂塗装合板型枠が主に使用されているが、本実型枠も少数ではあるが、使用されることもあり、それぞれに応じた模様の造成をする。

・防水
 打放しコンクリートに使用される防水剤は、遮水性能と耐候性にすぐれ、紫外線や外的要因による変色などがないものでなければならない。
 浸透型塗膜には、材料によってはコンクリートの表面の色調を変えてしまうなど、打放し仕上げが異質なものとなることもある。小社では、塗膜型防水剤の改良、開発を進め、打放しコンクリートの表面をそのままに生かすことのできるNY-7090表面防水固定処理剤を使用している。耐久性については、すでに多くの実績とともに経年による防水性能の低下は撥水材に比べ少なく、また、紫外線による黄変もしないなど効果を上げている。
e0030813_7164874.jpg

まとめ
 東京オリンピック時代中心に建てられた打放しコンクリート仕上げの建造物の多くは、予想を上回る早さで劣化が進行し、コンクリートの神話を打ち砕くまでになっている。過去このような事実を目の前にして、これからの打放しコンクリートの仕上げは、意匠性と同じレベルで耐久力を含めて考えるべきではないだろうか。
 筆者は、打放しコンクリートに魅力を感じるものの1人として、当初からの美しさを長く保つための一つの方法を提案させていただきたい。単にじゃんかの補修にとどまらず、建物全体の意匠性と耐久性を付与する打放しコンクリートのための一つの仕上げを考えたい。諸氏のお叱りをお願いするところである。

 次回は、引き続き「施工」1988年12月号 総特集:最新仕上げ材と設計施工の留意点「打放しコンクリートの若返り」をご紹介します。

 さて、この年1988年12月10日、1968年12月10日に発生した三億円強奪事件の民事時効が成立してしまいました。

それでは次回をお楽しみに!
[PR]
by pikayoshi72 | 2008-06-30 07:19 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その24

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は3回目「4.打放し仕上げに対する一つの提案」(1)素地の調整(2)コンクリート表面の化学的強化処理 をご紹介します。

4.打放し仕上げに対する一つの提案
 打放しコンクリートは、本来コンクリートの素材を生かすために切り、手をつけないという考え方が基本であると思われるが、やむを得ず生じた不具合や近年のコンクリートの早期劣化問題の定義に対し、適切な方法により美装性と耐久性を付与する必要があると考えられる。通常、不具合の発生は全体に見られることはあり得ないため、健全な部分に合わせながら処理していくことが肝要である。
 打放しコンクリート表面仕上げシステムは、過去29年におよぶフィールド(現場)における打放しコンクリートの修整実績と、打放しコンクリートを長期的にその美しさを確保するためにはどうすべきかを、継続的に考え開発されたものである。
 本システムは、素地の調整から最終工程の防水剤の塗布まで一貫して行うもので、素地調整(洗浄)は洗い専門職へ、不具合の処理は左官工へ、防水剤の塗布は塗装工へと分業化された、一般の現状の施工方法とは異なる。以下に、工程の順序に従って紹介させていただく。(図-1)
e0030813_723728.jpg

(1)素地の調整(付着物の除去)
 汚れの原因を究明したうえで、それに適した除去方法を検討し、場合によっては除去剤(ケミカルエースR)
を使用する。この際、特に注意しなければならないことは、全体のバランスを考えることである。表面の付着した汚れ部分のみに目を奪われて、集中的にその部分を洗浄する場合があるが、洗浄部分と他の部分とは明らかに差がつくことがある。

(2)コンクリート表面の化学的強化処理
 表面の素地調整後、コンクリートの保護および耐久性の向上を図るために、珪フッ化物を主成分とするNY-506反応型無機質系浸透強化剤を含浸塗布する。本薬剤は、セメントの水和生成物である水酸化カルシウムと下式のように反応し、毛細管の空隙を充填することによって、表面硬度および耐酸性を向上させるとともに、中性化の進行を抑制するものである。
2Ca(OH)2+MgSiF6 → 2CaF2+MgF2+SiO2+2H2O

 次回は、引き続き「施工」1988年9月号 打放し仕上げの問題点と補修修整「4.打放し仕上げに対する一つの提案」(3)不具合の修整、最後に「まとめ」をご紹介します。

 さて、この年1988年9月、昭和天皇の病状が悪化し黄疸症状を示して吐血、容態が悪化した。すべての国事行為が皇太子(現在の天皇)に委任され、全国で見舞いの記帳が開始された他、お祭りが中止、縮小されるなど異常なまでの自粛ムードが続きました。

それでは次回をお楽しみに!
[PR]
by pikayoshi72 | 2008-06-23 07:25 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その23

こんにちはpikayoshi72です。

今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は2回目「2.打放し仕上げの問題点」B.美観について及び「3.表面の保護および不具合の補修」をご紹介します。

2.打放し仕上げの問題点
 B.美観について
 美観にかかわる問題点を整理したものを、表-1および写真1~5に示す。
e0030813_13145058.jpg

 これらは、いずれも所要の品質が確保された材料の使用、適切な調合設計、入念な施工によって避けることが可能であるかと思われるが、施工箇所によっては、困難を極めることも否定できない。表―1に示した欠陥が発生した場合、これをそのまま放置することは美観を損なうばかりでなく、建物のイメージ、設計意図を著しく損なうことにもなり、耐久性に係わる問題も合わせて、現実的で信頼性のある適切な処理が求められる。

3.表面の保護および不具合の補修
A.表面の保護(耐久性向上のための処理)
 コンクリート躯体を前述した劣化的要因から保護することは、建物の耐久性の観点から重要である。コンクリート打放し仕上げでは、素材そのものを表現するため、型枠を撤去した状態、すなわち、コンクリートの素材の外観を変えることなく表面を保護する方法が要求される。
 そのため、保護材料として使用される材料は、当然限定されることになる。打放し仕上げの表面を保護するには、劣化因子である水、二酸化炭素、酸素などのコンクリート内部への侵入を遮断もしくは抑制する保護層をコンクリートの表層部に設けることが考えられる。一般的に打放しコンクリートの表層部分に浸透させ、劣化因子の侵入を防ぐといわれている保護材料としての、無色透明の浸透性吸水防止剤(撥水剤)がある。しかし、この材料は、過酷な自然環境下において、初期の性能を長期的に確保するには、十分満足できるものではない。

B.欠損部の補修、修整
 とくに打放し仕上げの表面に発生した不具合に対し、表-2に示す補修方法が基本となる。その際、注意しなければならないことは、補修した箇所と周囲との整合性を図るようにするとともに、補修した痕跡を残すことのないよう適切に行うことである。
e0030813_13111679.jpg

 たとえば、コンクリート表面に生じた豆板(じゃんか)は、単にポリマーセメントモルタルで充填補修すればという安易な考えでは、補修後の状態を見知したとき、初めて異質な仕上げに困惑することにもなりかねない。また、豆板、コールドジョイントなどは、美観上の問題にとどまらず建物の耐久性の弱点となる。これは、密実である部分と比較した場合、雨水の浸入、二酸化炭素の拡散を容易にするためで、このような不具合の発生が認められた場合、耐久性に対する十分な配慮も必要となる。一方、使用する補修材料に要求される性能も重要となることはいうまでもない。下地コンクリートの付着性、材料自身の強度、耐久性などがあげられる。いずれにしても、不具合箇所の状態をよく把握したうえで、適切な補修方法を検討しなければならない。その際重要となるのは、熟練した技能と調合材料の性能に精通した者の管理下で施工することである。

 次回は、同じく「施工」1988年9月号 打放し仕上げの問題点と補修、修整「4.打放し仕上げに対する一つの提案」をご紹介します。

 さて、この年1988年4月10日、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋が開通しました。瀬戸内海上の五つの島を跨ぎ、上が道路、下が鉄道の併用橋で、この類の橋では世界最長です。先回紹介しました、青函トンネルといい交通網の発達で日本がどんどん小さくなっていく感じがします。
e0030813_13131230.jpg

それでは次回をお楽しみに!
[PR]
by pikayoshi72 | 2008-06-16 07:36 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その22

今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は「1.コンクリート打放し仕上げ」及び「2.打放し仕上げの問題点」A.耐久性低下の諸因をご紹介します。
e0030813_7235712.jpg

1.コンクリート打放し仕上げ
 A.コンクリート素材
 打放しコンクリートの表情は、一見荒々しく、しかも重量感にあふれ、四季・天候に応じて、人々の感性に直接訴えるかの様相がある。しかも、シンプルな原点を思わせる打放しコンクリートは、デザインとして80年余りの歴史をもつといわれている。
 その歴史の流れの中にあって、打放しコンクリートは、素材のもつ神秘的ともいえる幽玄な美しのために、多くの建築家の心を引きつけ、夢をたくしてとどまるところがない。
 その素材のもつ深さを引き出し、しかも長期にわたり、その姿を変えることなく歴史を刻み込むができる強靱さが、打放し仕上げには要求されている。

2.打放し仕上げの問題点
A.耐久性低下の諸因
 近年、コンクリート建造物の早期劣化が社会的に問題視されており、その主な原因は、コンクリートの中性化と内在鉄筋の腐食である。
 外的劣化要因の中でも劣化の基点と中性化は、コンクリートの構成材料の一つであるセメントの水和反応によって生じた水酸化カルシウム Ca(OH)2 が、大気中の二酸化炭素の作用を受け、炭酸カルシウムに変化する化学現象である。
Ca(OH)2+CO2 → CaCO3+H20
 コンクリート中に内在する鉄筋は、元来、水酸化カルシウムが示す強アルカリ性(pH12-5-13)によって防錆環境が確保されているが、中性化が鉄筋表面まで進行すると、防錆環境が消失するため発錆の危険が生じる。
 鉄筋の腐食反応が進行するには、水と酸素の存在が必要であることは知られている。このことは、筆者らが過去400件余りの打放しコンクリート建造物の修繕工事に先だって躯体の劣化調査において、室内側の中性化深さは雨水の当たる外部のそれに比べ大きいにもかかわらず、鉄筋の腐食が原因となったひびわれや、かぶりコンクリートの剥離剥落などは、ほとんど見られなかったことからも明らかである。
 さて、この中性化の進行を促進させる要因として、コンクリートの品質を上げることができる。とくに打放し仕上げの場合、巣穴や、その他欠損箇所を生じさせないために、施工性のよい流動性の高い生コンクリートが使用される傾向にあり、必然的に単位水量の多いコンクリートが打設される。
 このため、硬化後の内部には、多数の毛細管が形成され、結果的に大気中の炭酸ガスや雨水の浸入拡散を容易にする。その他、海砂・山砂などの低品質の骨材によるひびわれ、アルカリ骨材反応に起因したコンクリートの劣化は、よく知られているところである。

 次回は、同じく「施工」1988年9月号 打放し仕上げの問題点と補修、修整「2.打放し仕上げの問題点」B.美観について をご紹介します。

 さて、この年1988年(昭和63年)3月、青函トンネル使用が開始されました。 本州と北海道を結ぶ名実共に世界最長のトンネル使用が開始されたわけですが、開通に伴い青函連絡船は廃止されました。北海道へ渡る所要時間は3時間半ほどでしたが、あっという間に北海道へ行けるようになったわけです。今年で青函トンネル開業20周年を迎えます。月日のたつのは早いですね!

それでは次回をお楽しみに!
[PR]
by pikayoshi72 | 2008-06-09 07:26 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その21

こんにちはpikayoshi72です。

今回は月刊リフォーム1988年8月号 特集・学校施設のリフォーム、学校施設における改修工事例「打放しコンクリート若返りシステムによるS女学院外壁改修工事」後編をご紹介します。

計画から完成まで
 当S女学院(神奈川県鎌倉市)は、閑静な住宅地を抜けた小高い山の上に建ち、彼方には相模湾を望む大変風光明媚な地に位置する。校舎はRC4階建、外部庇・梁・柱が打放しコンクリート、壁面・腰壁がタイル貼りの清楚かつ力強さも感じられる建築物である。
 しかしながら築後20余年を経過し、外壁は黒く汚れ、所々にひび割れの発生や鉄筋の露出が認められた。このため4年程前から外壁改修工事および屋上防水工事が計画されていた。
 外壁打放しコンクリート面には、打放しコンクリートのイメージを損なわない仕上げができ、下地(躯体補修)から仕上げまでを完全責任施工で行う当社の打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)が採用され、毎年数棟ずつの改修工事を行ってきた。
 完成した建築物はまるで新築当時そのままの輝きを取り戻し、当S女学院の若々しい雰囲気と相俟って、学校全体のイメージにより一層すばらしいものに引き立てる事ができたと確信している。
e0030813_15191956.jpg

 次回は、「施工」1988年9月号 特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修。修整」を4回に分け、ご紹介します。

 さて、この年の7月23日、東京湾の浦賀水道で釣り船「第一富士丸」と浮上航行中の自衛隊の潜水艦「なだしお」とが衝突しました。「第一富士丸」は沈没し、釣り客と乗員48人のうち18人は救出されましたが、死者30人の大惨事となってしまいました。救助された人たちからは「潜水艦は救助にほとんど手を出さなかった」との批判が続出、防衛次官もこれを受け「救難活動が不十分だった」と、認めました。ひどい話ですね!

それでは次回をお楽しみに!
[PR]
by pikayoshi72 | 2008-06-02 15:20 | ブログ