「ほっ」と。キャンペーン

<   2007年 05月 ( 4 )   > この月の画像一覧

第九十七話「世界を代表する打放しコンクリート作品とその建築家」    ロベール・マイヤール

 1872年スイスのベルンで生まれる。1894年チューリッヒ連邦工科大学にて土木工学を学ぶ。1902年ローベル・マイヤールはデザイン建設会社を設立、10年後会社をロシアに移すが1917年のロシア革命のさなか、惜しくも会社が倒産。
 ロベール・マイヤールは、近代コンクリートアーチ橋の草別に留まらず、橋の芸術家として名声を博す。その代表作ザルギナトーベル橋、スイス東部グラウビュンデン州の渓谷に架かる橋で1930年に完成。
e0030813_7172455.jpg

 ロベール・マイヤールはそれまで鉄と石材が主であった橋の材料から鉄筋コンクリートを導入し、近代的なコンクリート橋を考案、設計したといわれています。そこで思い出すのが1905年オーギュスト・ペレ(フランスの建築家)、当時の建築様式であった石造をコンクリート造に変えて、ポンテニュー街にガレージを建築。最初の打放しコンクリート建築の生誕とよく似た一面を思い出しました。
 このザルギナトーベル橋、巾3.5m長さ132.3mの打放しコンクリートによる最初の橋として米国土木学会(ASCE)のHistoric Civil Engineering Landmarksに選ばれ、彼の手掛けた橋は47作品。いずれも単純化され、調和のとれた薄い打放しコンクリートのアーチ橋として評価されています。
 次回をお楽しみに。
[PR]
by pikayoshi72 | 2007-05-28 07:20 | ブログ

第九十六話「世界を代表する打放しコンクリート作品とその建築家」    ルドルフ・シュタイナー

 1861年クロアチアに生まれる。その人物像は神秘思想家で人智学の創始者といわれロストック大学で哲学博士号を取得。建築家とは程遠い分野で活躍。ゲーテ研究者としても知られています。自らが書き下ろした神秘劇を上演するための劇場を同志達と建設に取りかかるも外観のフォルムを残して病に倒れ、この世を去ってしまいました。
e0030813_7204778.jpg

 その作品はゲーテアヌム、1928年シュタイナーの思想・芸術を表現するにふさわしい建物として設計され、内外部とも打放しコンクリートで、その形状は打放しコンクリートの量塊をナイフで削ぎ落とした様な特異な形態として注目されました。このゲーテアヌムに感動した日本の建築家今井兼次は国内で初めてこの作品を紹介しました。ゲーテアヌムは打放しコンクリート作品としても世界的に高い評価を得たといわれています。
 一方、シュタイナーは人間観に基づいた独自の教育を行うためのシュタイナー学校を創設。世界70ヶ国・900校に及び、日本にも神奈川県相模原市にあるシュタイナー学園を始めとして複数校があります。意外と身近なものですね。
 この頃国内は田中義一内閣の時代。日本最初の普通選挙が実施された年でもありました。
 次回をお楽しみに。
[PR]
by pikayoshi72 | 2007-05-21 07:22 | ブログ

第九十五話「世界を代表する打放しコンクリート作品とその建築家」    カール・モーザ

 建築家カール・モーザはチューリッヒ工科大学の教授。建設システムは「最小の消費によって、材料と労働力における最大の効率を具現する。」合理的性、経済性など近代的精神を根底とする。
 1927年カール・モーザはスイス・バーゼルにザンクト・アントニウス教会を建つ。この教会は外部内部共徹底した打放しコンクリートで構成されたもの。
e0030813_7232284.jpg

 外壁には角柱が規則正しく並べられ、リブ天井・格間天井は直交系のデザインで統一され優美とは異なる厳格な表情を見せ、オーギュスト・ペレのル・ランシーの教会(第九十三話)の丸柱やカーテンウォールに醸し出される優美さと異なるもの。相前後してフランスとスイスに於いて両極を表現した打放しコンクリートによる教会デザインは興味深い。
 この頃(1926年)国内は大正天皇が亡くなり昭和天皇が即位しました。世情は金融恐慌が起こり騒然とした時代でした。
 次回をお楽しみに。
[PR]
by pikayoshi72 | 2007-05-14 07:24 | ブログ

第九十四話「世界を代表する打放しコンクリート作品とその建築家」   ルドルフ・ミヒャエル・シンドラー

 1887年オーストリアのウィーン生まれ。ウイン産業技術大学にて1911年建築の学位を取得。その年ハンス・マイヤーとテオドール・マイヤーの事務所に勤務。1914年アメリカ・シカゴに移住、当時既に名声を博していた巨匠フランク・ロイド・ライトの作品に傾倒、アメリカに移住したシンドラーは1914年12月ライトに面会を求め実現、フランク・ロイド・ライト設計事務所へ。1920年ライトの指示でシンドラーはロサンジェルスに赴任。
e0030813_7154561.jpg

 1928年そのロサンジェルスに建てたシンドラーの作品、ローヴェルビーチハウスは現場打ちのプレキャストコンクリートで建てられたもの。最初のPC打放しコンクリートとも言われています。
コンクリート建築のカテゴリーの中に打放しコンクリートに次いでPC打放しコンクリートの剥き出しの構造体を具現したもの。その特異性はシステム化したPC打放しコンクリート。現代の先駆的作品ともいわれ、当時のアメリカの合理主義建築を代表する作品としても知られています。
 次回をお楽しみに。
[PR]
by pikayoshi72 | 2007-05-07 07:29 | ブログ