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第二十九話 コンクリートこぼれ話 「打放しコンクリートの流れ(その3)」

 堅苦しいお話は一休みして、静かに佇む打放しコンクリートの辿ったもう一つの厳しい現実。
その生命についてのお話。
その一つ悲劇の物語り。
国内ではバブル時代を頂点にして、古き良き打放しコンクリート建築といえども、他のコンクリート建築と同様に経済合理性の名目のもとに、歴史も美的価値も容赦なく、時代に不用な建物とし、あの世行き。
御多分に洩れず、日本最初の打放しコンクリート建築、思い出しましたか?あの霊南坂の家(アントニン・レーモンド)、取り壊して今はありません。
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これも惜しまれるものの一つ。
こんな風潮でありましたっけ!
同じくして考え方の違いはあるでしょうが、人の生命と同じ、寄る年波に老い、朽ちる、これが自然。
あえて手を加えず自然に同化、そして回帰の姿が美しいとされていたんです!
即ち、ノーメンテナンスで老いたまま。
しかし、時代は変わりました。
長寿時代の今、元気で健康そして老化を防ぐ色々なアイテムが目白押し、TV・新聞に連日のオンパレード。
自然環境の保護、資源の浪費抑制、再利用再活用とクールビズに代表された時代の変化に後押しされて良きものを残す、こんな風に流れは変わりました。
そうあるべきですね。
 元祖ヨーロッパの打放しコンクリート建築、年代・歴史を語る古き良き証として、きめ細かなメンテナンスによって維持保全され観光の目玉として活躍しているところはやはり先輩ですね。
打放しコンクリートに元気と健康を!
次回をお楽しみに。
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by pikayoshi72 | 2006-01-30 07:39 | ブログ

第二十八話コンクリートこぼれ話「打放しコンクリートの流れ(その2)」

 誰もが願う平穏無事。これがなかなか難しい。その代表的なもの。
“政界” 日常生活に密着した些細な問題でも賛成、反対の対峙。
問題の善し悪しは棚に置いて先ず主張! 物には裏表があるから当たり前のことか?
 ところで我が友“打放しコンクリート”、ここにも似た様なことがあるんです。
そうです。[ル・コルビュジェ]その流儀は打放しコンクリートのもつザラザラ感、それを表面に荒々しさとして表現。これで一世を風靡。
 一方、ルイスカーン、ル・コルビュジェの荒々しさに対峙。
ソフトで滑らか、整然としたパネル割り、醸し出す表面は端正な打放しコンクリート。
名付けて “アメリカンスタイルの打放しコンクリート” か!
同時代の1950年、ル・コルビュジェは “ロンシャンの礼拝堂”
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ルイスカーンはイエール大学アート・ギャラリー。
共に著名な作品として知られていますね。
この頃には国内でも丹下健三。前川国夫、菊竹清訓など著名な建築家が有名作品を!
そして日本がサンフランシスコ平和条約の調印をしたのが1951年でありました。
 次回をお楽しみに。
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by pikayoshi72 | 2006-01-23 07:38 | ブログ

第二十七話コンクリートこぼれ話「打放しコンクリートの流れ(その1)」

 ゴシック建築の代表作ノートルダム教会、
TVに映画にそして名称まで昔からよく使われ耳にしたものです。
その教会が20世紀最初の打放しコンクリート建築で、世界の建築作品のトップとされているだけでなく建築の美術様式とされるなど、歴史上現代にまでその名を留める由緒ある教会であることです。
忘れていました、作った人はフランス人のオギュースト・ペレ。
場所はパリ郊外のル・ランシーで1923年に建築されました。
 この建築家オギュースト・ペレは、前にもお話した様に石造建築からコンクリート建築に、しかもコンクリート建築を芸術作品にまでもっていった功績は素晴らしいことですね。
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オギュースト・ペレは1874年生まれで1954年に他界、その鬼才は閉じてしまいました。がオギュースト・ペレは立派な弟子を育てていました。
その名はよく知られているル・コルビュジェ。(スイス人建築家)
弟子のル・コルビュジェは、ペレの技法を身につけ、それを受け継いだ建築家といわれています。
そのスタンスは打放しコンクリートの表面にコンクリート素材のもつ荒々しさを表現しつつ、それをそのまま芸術の域まで引き上げ、ホットな打放しコンクリートを造形、石造りの代用品でなく、今までの建築様式に新たな分野を開いたといえるのではないでしょうか。
 堅苦しいお話になってしまいましたが、打放しコンクリートを知る上で大事なことと思いましたので。
書き遅れましたが、ノートルダム教会の正しい名称は、「ノートル・ダム・デュ・ランシー教会」
次回をお楽しみに。
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by pikayoshi72 | 2006-01-16 07:40 | ブログ

第二十六話コンクリートこぼれ話「コンクリート建築のはじまり」

 60年前の日本、
経済は破綻し衣食住全てが不足、代用品で賄う時代でした。
その代用品の元祖はフランス人であったことをご存知ですか。
ご説明します。
 当時の建築様式は石造りが主流、しかし素材の石材が高価なため、石造りに比べて安いコンクリートを代用に使ったといわれています。
つまり石材の代用品としてコンクリートが使われたと言うことです。
代用品とは“本物に比較して劣るもの”との思い込みがありますが、そうではなく正しくは、“他のものに変えて使用する”ことだそうです。
つまり高価な石造りを安価なコンクリートに変えはしましたが、立派な建築材料として現在は主流。
しかもコンクリートは石造りでは出来なかった多様な建築デザインを可能にしたことはご存知の通り。
その最たるものが打放しコンクリートと言えるではないでしょうか。
こんなことを言うと、これこそ思い込みかな?
 さて、鉄筋コンクリート建築の始まりは、今お話したように石造りに変えて経済的な問題の解決策として登場して来ましたが、今日を想うと鉄筋コンクリートは20世紀建築の主役であり救世主として不動の地位を築いたのではないでしょうか!
そこで、世界で最初のコンクリート建築は何処に建てられたかご存知ですか? それはフランスです。
建てた人はオーギュースト・ペレという人で1904年、今を去ること102年前、“フランクリン街のアパート”建築で、これが第一号です。
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本命の打放しコンクリートはどうでしょうか。
ご推察の通り、翌年の1905年、同じオーギュースト・ペレが単なるコンクリート建築から脱却して鉄筋コンクリートの造形に美的な表現をすることを考え、これを基にフランスのポンテニュー街にガレージを建築しました。
これが最初の打放しコンクリート建築だとされています。
しかもこの両作品共、20世紀を代表する世界建築104作品のトップを飾りその名声を現代にまで留めています。
 イギリスで生まれフランスで育てられたコンクリート建築、それが打放しコンクリートで、一躍石造建築を凌ぐ美術建築としての位置にまで登りつめたのは驚異ですね。
その起爆剤は高価な石造りにあったとは知りませんでした。
そこで、こんな諺が思い出されます、“事の成るは困苦の時”。
  19世紀の高価な石造建築に端を発したコンクリート、その成長は無限大、今や堂々と主流の地位を占め近代建築を担い、ますます伸びる打放しコンクリート。
少しあげ過ぎたかな。
 次回をお楽しみに。
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by pikayoshi72 | 2006-01-09 13:27 | ブログ

第二十五話 コンクリートこぼれ話 「コンクリートの生誕」

 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
昨年からの異常な寒波でお身体にお変わりありませんか。
今年は日頃考えてもみなかったコンクリートの生誕あれこれを探ってみます。
何故かって! 賢人は歴史に学ぶと言うではありませんか。
その賢人とはどんな人を指すのかって!そうです、聖人に次いで 徳の高い人です。
言うまでもなく私ではありません。
たまに新聞紙上で目にはしていたが知らなかった、でしたかなあ?
では、早速コンクリートの基、ポルトランドセメントについて、
一体誰が発明したのか興味そそるところですね。
さて、それはイギリス人のアスプジンと言う人です。
ポルトランドセメントの製造方法を考案して、その特許を取ったそうです。
驚くなかれ今を去る182年前(1824年)のことです。
それにしても182年前にイギリスでは既に特許制度があったとは、知りませんでしたよ。 
 一方、176年前(1830年) 蒸気機関車が実用化、リバプールからマンチェスター間に営業鉄道が走った。
こんなことを思えば当然か?
ところで東海道線の全線開通は117年前(1889年)、イギリスより遅れること59年差がついてましたね。              
さて、ポルトランドセメントの特許取得から43年後の1867年にフランスのジョセフ・モニエという建築・造園家が、モルタルの中に針金を網状に入れて、薄くて丈夫な植木鉢を作ったのが鉄筋コンクリートの始まりだそうです。
鉄筋コンクリートの先祖が植木鉢とは想像出来ませんね。
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          植木鉢・鉄筋コンクリート想像図
この植木鉢鉄筋コンクリート、今日の様に実用化されるまでに25年の歳月がかかりました。
つまり、当時はまだ工場などで鉄筋が作られていなかったためだそうです。
 その後1892年補強用の鉄筋が初めて製造され、時を同じくしてフランス人の技術者アンネビグという人が、鉄筋コンクリート梁の特許を取り、本格的な鉄筋コンクリート建築が始まったそうです。
今をさかのぼること114年前、コンクリートとそれを補う鉄筋そして技術者アンネビグの登場、
三拍子揃ってのコンクリート建築の幕開け。
20世紀と歩調を合わせてのスタートでした。
 ご存知でしたか。
必要にせまられなかったから気にもしなかった、ところが本音ですよね。
 次回をお楽しみに。
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by pikayoshi72 | 2006-01-02 07:33 | ブログ