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第二十四話 コンクリートこぼれ話 「まとめ」

 60年前の日本。
ある廃墟と化した市街地の展望、その実態は、まのあたりに見た人でなければ理解出来ない殺風景でした。
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復興の槌音と共に姿を現した鉄筋コンクリート建築、未来永劫その偉容は変えることなく続くと信じられ、誰もがそんな思いを胸に抱いていたと思います。
 ところが戦後復興のかけ声と共に未だ嘗て体験したことのない公害の出現、成長経済の影にかくれて、その被害は自然環境を脅かし、生活環境にまで拡大。
時同じくしてコンクリート建築にもその病魔は静かに浸透していきました。
公害のない良好な生活環境の確保に国をあげて取り組むなど、数々の被害をもたらした公害は大きな社会問題となりました。
 こんな社会の生活環境に遅れること10年余り、コンクリート建築に想像すらしたことがない公害に端を発した劣化因子の顕在化、そうです!コンクリート破壊への序曲です。
徐々に拡大する劣化損傷の表面化、かのコンクリート神話は崩れコンクリート老化(劣化)の始まりといわれ注目される様になりました。
その病魔は酸性雨に始まり中性化、塩害、アルカリ骨材反応そしてカビ。
これらは生活環境に同居して浸食するなど、互いの劣化損傷に寄する因子と手を組み、コンクリートの内外を加速度的に損傷を与えてきました。
この公害、発展途上国では過去の日本とほぼ似た様な被害をもたらせ、環境破壊へと動きを加速させています。
コンクリートの汚れや老化(劣化)現象は環境悪化のバロメータといえますね。

 傷み病んだコンクリートは、羅病した人間と同じ、軽微なうちに手当をして回復させることが一番、そして再発しない様に傷口は手当して、再発防止の保全処置が大事。
 こうした色々な老化(劣化)現象を見ていくと、健全強固なコンクリートも人間と似た生命が宿っていると思えますね。暖かく見守ってあげることかなぁ。
来年は打放しコンクリートの生涯と歴史にまつわるお話でスタート。
この半年ありがとうございました。
よいお年をお迎え下さい。
ご多幸をお祈り申し上げます。
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by pikayoshi72 | 2005-12-26 07:34 | ブログ

第二十三話 打放しコンクリートの老化について“あれこれ” 「カビ」

 緑におおわれた快適空間、新鮮な空気を胸一杯吸って身も心も洗う朝の散歩、静かに佇む打放しコンクリート造りの美術館、かもしだす雰囲気は自然との同化。
【打放しコンクリートだけが醸し出す佇まい】と、いえます。
ところがこの見事に自然環境にマッチした打放しコンクリート、日射の少ない北面の外壁は、劣化を呼び起こす藻類の付着と黒ずんだ荒れた肌。
南面とは打って変わった北面は陰湿で不快の様相そのものです。
この藻類、塵やほこりがコンクリート表面に付着し、それに藻類の胞子がくっついて雨水や排ガスなどから栄養分を吸収、藻類に適した環境化で増殖するそうです。
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最初緑色の藻類は乾燥すると黒色化して死んでしまいその黒色化した死骸はカビの栄養源となります。
 カビの繁殖は酸素、水分(湿潤状態)と適温(15℃~27℃)に恵まれて増殖していくといわれています。
このカビの本名は眞菌(シンキン)といいます。日頃聞くことのない名前ですね。
コンクリートにとってカビは美観を阻害し、健全なコンクリート表面を斑な黒色で汚染し建物としての価値を著しく落としてしまいます。
 藻類の付着からカビへ、こうした打放しコンクリート表面の汚れはなるべく早く処置することが大事です。
何故かといいますと、コンクリートの中性化が始まるからです。前にもお話ししましたが、中性化はコンクリートにあっては万病の基となるからです。
カビの防衛策はあるか、ということになりますね。
心配はいりません。
打放しコンクリート表面から水分、雨水の浸入を防ぐための防水処理をすればOKです。
 何んだ!簡単じゃあないかとなりますが、この防水、種類が多く、しかも各々耐久性が異なっていて
早いものでは半年位で防水効果がなくなってしまうのもあります。
諦めることはありません、10年以上もつものもありますから。
但し、予算と睨めっこして選択することです。
勿論カビが付着拡大した後でも、回復対策はありますからご心配なく。

 次回は今までのまとめとします。
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by pikayoshi72 | 2005-12-19 07:39 | ブログ

第二十二話 打放しコンクリートの老化について“あれこれ” 「凍害」

 寒冷地特有の凍害、そのコンクリートの劣化症状にひび割れやそれに付随して起こす剥落・崩壊など知られていますね。
但し、温暖地ではデスクワークのレベルかなあ。
打放しコンクリートの外壁に亀甲状(亀の甲の模様)のひび割れを見たことがありますね。
それから庇、軒先、ベランダやパラペットの鼻先に現れた長手方向のひび割れ、これが原因でコンクリートの表面を浮かせてしまったり、それから白いはな垂れを起こしたりして見苦しいものにしてしまう困りもの。
この凍害、凍結したり溶けたりの繰り返しが多い程劣化症状が進行するんだそうです。
そこでよく知られている凍害の原因をお話します。

 前回にもお話したと思いますが、コンクリートは吸水性があること、つまり、コンクリートに内在する毛細管、“コンクリートは呼吸しています”と聞いたことありません?
生コンクリートが乾燥固化することにより練り混ぜた水が外部へ蒸発したあとに生じた現象、空気や水分の流通毛細管と言えるかなあ。
その毛細管に浸透した雨水(水分)が、温度低下によって氷に変わる時、体積膨張(水が氷になると体積が増える)によってコンクリートを破壊させてしまうこと。
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 それから既にご存知のコンクリートの劣化原因である塩害、アルカリ骨材反応、乾燥収縮や中性化なども凍害の原因の一つとされています。

建築以外の土木の構造物では、寒冷地に使用される凍結防止剤の散布、これに起因して道路に付帯したコンクリートの表面がスケ―リング(表面のモルタル部分がフレーク状に剥離して砂利が出てしまっている状態)を起こすとされています。

 この様なことが原因となって凍害は、生活環境を守る土木、建築物に大きな影響を与えることになるんです。
暑さも寒さも自然現象とはいえ、対応はなかなか難しいですね。

 次回は最も身近な「カビ」についてお話しします。
お楽しみに
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by pikayoshi72 | 2005-12-12 07:41 | ブログ

第二十一話 “打放しコンクリートの老化についてあれこれ” アルカリ骨材反応

 むき出しの打放しコンクリートを襲う塩害、日常海辺で繰り返される劣化現象、こんな風なことを目の当たりにすると今まで気に留めなかった自然現象の脅威に目が醒める思いですね。
ところが外にもあるんです。
コンクリート劣化原因の双璧といわれる塩害に次いでアルカリ骨材反応、このアルカリ骨材反応のお話をします。
 塩害によって引き起こされるひび割れ、その多くはコンクリート中の鉄筋が腐食膨張してひび割れを起こすことは前回お話の通り、ところがアルカリ骨材反応は読んで字の通り、コンクリート内で反応して表面に網目状のひび割れとなって表れるものです。
しかもそのコンクリート表面が赤褐色や黒褐色などの汚れを伴っているのも塩害にはない特徴です。
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このアルカリ骨材反応を引き起こす原因はコンクリートを作る上で粗骨材といわれる砂利のかわりに
輝石(きせき)安山岩(あんざんがん)(アルカリ反応性鉱物含有)という砕石を使用することにあるようです。
日頃聞いたことがない難しい名前ですが日本で最も普通に見られる火山岩で噴火によって地下の深いところより地表に流出したもので、安山岩や玄武岩などの類だそうです。

 アルカリ骨材反応による劣化の症状は、コンクリート中の粗骨材(輝石安山岩)の破断で起こります。
その破断した表面には白色の物質や球状のガラスの様なものが見られます。
専門家の説では輝石安山岩の粗骨材とコンクリート中の高いアルカリ性の水が反応を起こして反応性骨材粒子にアルカリシリカゲルが生じ、そのアルカリシリカゲルが水を吸収して
反応性骨材粒子となって、それが膨張してコンクリートにひび割れを起こすのだそうです。
これをアルカリ骨材反応といわれています。

 日常生活に無縁のもの、化学の知識がないと分かったとは言えませんね。
思い出しました、アルカリ骨材反応が良く知られる様になったのは20年位前、NHKの放送番組「コンクリートクライシス」で広島のある大型マンションの劣化損傷の実例を放映された頃からです。
山陽新幹線の高架コンクリートの一部が破断脱落したことなどが報道されよりよく知られる様になりましたね。
 
 ご理解出来ましたでしょうか?
次回は“凍害”についてお話ししたいと思います。
お楽しみに
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by pikayoshi72 | 2005-12-01 15:15 | ブログ