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「打放しコンクリートと共に」 その(103)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」を2回に分け、お送りします。
本日は「1.はじめに」から「5.吉田工法の環境対応型諸材料」までをお送りします。
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1.はじめに
 「目がツーンとする」「頭やのどが痛い」「ゼイゼイする」この様な症状をシックハウス症候群と呼ばれ、建物の高気密化や化学物質を放散する建材・内装等の使用による室内空気汚染が原因とされている。その他、家具・日用品の影響、カビ・ダニ等のアルゲン化学物質に対する感受性の個人差など様々な要因が複雑に関係しているといわれている。日常生活に深く関わるシックハウス症候群は健全な生活環境の破壊に留まらず、健康をもむしばむことに繋がっている。
 この様なことを背景として小社は、自社開発の全ての材料について、徹底したシックハウス対策を講ずることとした。
 本稿は、シックハウス対策と併行して品質、環境及び労働安全マネジメントシステムによるリニューアル工事について打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)の施工事例に焦点をあて述べる。

2.建物概要
 予測される東海地震に備えて計画された静岡県庁西館耐震改修工事と併行して懸案となっていた外壁打放しコンクリートのリニューアルを実施することとなった。
建物概要は次の通り。

建物概要
 建物名称:静岡県庁西館
 所在地:静岡県静岡市追手町9番6号
 竣工年:昭和49年3月
 構造・規模:地下1階、地上10階
外壁面積:8、897㎡
工法:打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)

3.経過年数と劣化症状
 本建物の外周壁は打放しコンクリートで築後32年経過、今まで中高層建築のため適時適切なメンテナンスは施されていなかった。表層面は劣化損傷を示す防水塗材の性能低下、汚染物の付着、ひび割れ、露出鉄筋や不具合箇所の補修モルタルの剥落などが生じていた。新築時表層面に施された各種の補修材は厳しい自然環境に侵され機能喪失し、ひび割れからの酸性雨の浸透は内部鉄筋の錆化膨張を招きその膨張圧による被りコンクリートの押し出し剥離などによって、美観の喪失と周辺環境の安全性が脅かされる状況にあった。
4.リニューアル計画に基づく調査
 周辺環境の安全性確保と美観の回復を目的に外壁を構成する打放しコンクリート表層面を外観目視法に基づき調査した。主な調査項目は次の通り
a)ひび割れ b)露出鉄筋 c)コールドジョイント d)木コン跡 e)コンクリート欠損 
f)ジャンカ g)モルタルの浮き
 調査結果を外壁調査報告書にまとめ、調査結果に基づく項目に従い全項目集計表を作成した。次に集計表より、欠損部のマーキング図を作成、各階各面を図面上に明記した。外壁調査結果報告書の一部を抜粋し図1、写真1に示す。
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5.吉田工法の環境対応型諸材料
 シックハウス症候群の発生原因は冒頭述べた通りであるが、その対応策として建築内外装に使用される諸材料や建材から放散する化学物質を一切含有使用しないことにある。
 2004年生活環境を脅かす有害物質について、吉田工法に包括される新築及びリニューアル対応のシステム工法に使用される全材料について検討した。作業者の労働安全と放散する化学物質による環境汚染や健康被害の防止対策が目的である。使用材料を日本建築仕上材工業会(NSK)に審査登録した。
 その結果、安全性を確保する「F☆☆☆☆」を取得。自主表示登録番号を各材料に表示し、環境対策を期することとした。

次回は、2010年新春第一号となるわけですが、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」の最終回「6.環境対応型材料の登録番号」から「9.おわりに」をお送りします。
今年も余すところあと3日となりました。当ブログをご購読いただきまして誠にありがとうございました。
皆様方におきまして良いお年を迎えられることを心からお祈りして、今年のブログを終わりたいと思います。
ありがとうございました。

さて、この年のニュース、2月16日、兵庫県神戸市ポートアイランド沖に、神戸空港が開港されました。

それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-12-28 08:13 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(102)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、月刊建築仕上技術2006年7月号、特集:外壁汚れ防止・除去技術の最新動向「打放しコンクリート・光触媒仕上げシステムについて」を読み切りでお送りします。

1.はじめに
 深刻化する環境問題は打放しコンクリートの美観の維持と劣化防止に課題を提起している。
 築後間もなく発生する汚れの付着は、表層面の仕上げが意匠である打放しコンクリートの意匠性を阻害し美観の喪失を招き、同時に劣化損傷へと繋がる。特に都市部での打放しコンクリート外周壁の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着したものが多く、その汚れは加速度的に拡大することにある。
 このような事象に対応した新技術・工法として、打放しコンクリート仕上げシステムをベースとして新開発された汚染対応型新光触媒(フッ化アパタイト被覆二酸化チタン光触媒)の特長、施工例などを交えて「打放しコンクリート光触媒仕上げシステム」を紹介する。

2.打放しコンクリートの現状と汚染対策
 打放しコンクリートの経年変化を知り得る人は限られているため維持保全の扱いに困惑しているのが現状である。打放しコンクリート建築に継続して携わる設計者、施工者は極めて少なく施主にあっては最初で最後といったところである。

3.打放しコンクリート光触媒仕上げシステムとは
 光触媒には、打放しコンクリートに不可欠な防水機能はなく、表層面の強固な防水処理が必要である。
 従来から防水材として採用されている高耐久性フッ素樹脂やその他有機質防水材に光触媒を直接塗工した場合、紫外線エネルギーにより励起した酸化チタンはその強い酸化力でフッ素樹脂などの有機質防水材を分解し、防水機能を喪失させるため、保護するバリア材のコーティングを必要とした。新開発の光触媒仕上げシステムはフッ化アパタイトを被覆した二酸化チタンでバリア材は不要である。しかも下地の仕上げシステムとの付着は良好で打放しコンクリート仕上げの質感を保持しつつ防水性及び光触媒のセルフクリーニング機能を具備した打放しコンクリート光触媒仕上げシステムである。その基本原理とセルフクリーニング機能を図1に、また、同システムのフローチャートを図2に示す。
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(1)打放しコンクリートに於ける光触媒の機能と応用
 光触媒の塗布面に紫外線が当たると光触媒反応が起き酸化力により塗布面に接触する有機物を分解する。例えば有機物としてカビ、細菌、藻、ウイルス、油脂、車の排気ガス、タバコの煙とヤニ、VOC、悪臭(アンモニア)などである。
 光触媒反応は酸化チタンを消費しないので反応による酸化力は減退しない。したがって、反応は半永久的に継続し酸化力による浄化機能も持続することになる。
 光触媒のコーティングの膜厚はせいぜい1μm程度であり、塗膜に接触しているカーボン、油煙、細菌類真菌類などは光触媒による分解であるため、薄膜であってもその機能を十分に発揮することができる。
 一般的に都市部での建築外壁面の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着した汚れが多く、光触媒によりこの油脂分が分解されて汚れの成分の付着力が弱められ、雨により洗い流される。
(2)光触媒の性状
 打放しコンクリート表層面に施した光触媒とフッ素樹脂の親水性の比較を写真1に示す。光触媒は表層面に馴染んでいるが、フッ素樹脂は水玉となっている。
 光触媒表面に太陽光が照射されることによって、表面に水酸基が発生し親水性となる。水の接触角は10~30°と極端に小さくなり、水玉にならない(図3)。
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 この水が光触媒の作用で分解された汚染物の間に流れ込み、セルフクリーニング機能が生じ付着した汚染物が流れ落ちる。この光触媒反応は酸化チタンを消費しないため、反応によって酸化力は減退しない。すなわち、半永久的に酸化力による浄化機能は維持される。
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4.おわりに
 都市部の環境悪化に伴う汚れの付着は必然的な事象として忍受されてきた。特に打放しコンクリートの著しい汚れは美観の喪失に留まらず建築物としての資産価値を低下させる。そのため定期的なクリーニングが施されそのコスト負担は大きなものであった。
 本システムを構成する新光触媒によって付着汚染物の分解作用と親水性によるセルフクリーニング機能によって打放しコンクリート建築に課せられた難題を解消し美観、資産価値の維持だけに留まらず良好な周辺環境の向上にも寄与するシステム工法である。
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 次回は、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」お送りします。

 さて、この年の重大ニュース、1月20日、 2005年12月に輸入を再開した米国産牛肉にBSE危険部位の脊柱が混入していたことが判明し、全ての米国産牛肉の輸入手続きを再停止しました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-12-21 07:17 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(101)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、建築技術2006年6月号特別寄稿「打放しコンクリートのリニューアル」読み切りでお送りします。
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はじめに
 予測される東海地震に備え,平成16年度静岡県庁西館耐震改修工事に合わせて,外壁打放しコンクリートの耐久性・安全性の付与および美観と意匠性の回復を図るため,リニューアルを実施した。ここに,その事例を紹介する。建物の概要は次のとおりである。

劣化現象
 本建物は築後31年経過,外壁打放しコンクリート表層面は紫外線,酸性雨,炭酸ガス,温湿度変化などの自然現象や大気中に拡散された各種の化学物質に加え,挙動・震動に起因した劣化外力を受け,中性化をはじめとしてひび割れや鉄筋腐食など表層面を著しく汚損摩耗した状況を呈していた。同時に美観と意匠性の喪失に留まらず,躯体の損傷にまで及びコンクリート片の剥落など安全性が脅かされるまでに至った。

劣化現象に対する調査
 県では東海地震に備えて,耐震化工事と併せて経年劣化した外壁打放しコンクリートのリニューアルを計画した。本計画の実施に先立ち,外壁全面にわたり外観目視法に基づき調査した。
 調査項目は,ひび割れ・亀甲状ひび割れ・コールドジョイント・鉄筋の露出・モルタルの浮き・欠損・ジャンカ・Pコン跡・木屑の9項目とした。調査結果に基づいて,発生原因の推定および劣化状況の調査結果を項目別に整理集計し,劣化損傷箇所を図面上に記録した。これらを纏めて,調査結果報告書を作成した。調査結果の一部東面外壁の劣化損傷箇所を図1に示す。
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改修システム
 本改修工事に適応した打放しコンクリート若返りシステム(吉田工法)のフローチャートを図2に示す。
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 工事はフローチャートに示された工程に従い施工した。最初に打放しコンクリート表層面の高圧洗浄,表面強化処理,欠損部のはつり露出鉄筋の防錆処理など躯体の補修強化を施し,表層面の復元,美観の回復後にトップコートには耐久性の高いアクリルシリコン樹脂を塗布した。これらの7工程のうち,主要ポイントは次の2工程である。中性化したポーラスな表層面に,表面強化処理剤の含浸塗布である。珪フッ化物を主成分とした浸透性水溶液で塗布することによって,中性化したコンクリート中に含まれる炭酸カルシウムと反応し,不溶性のフッ化カルシウムが生成される。花崗岩のように結晶化しコンクリートの空隙が充填密実となり,躯体コンクリートの強度と防水性が付与向上される。次は工程4に示された生地調整である。劣化損傷したコンクリート表層面は汚染物の浸透と付着などにより黒ずみ,本来のコンクリートの色相は喪失している。このようなコンクリートの色相を回復させる生地調整工程は,コンクリート表層面の健全化と美観の回復に寄与し,甦らせる重要な工程である。

 おわりに
 本工事に供した打放しコンクリート若返りシステムは,1975年に開発され幾多の改良を加え今日に至っている。遡ること1989年,静岡県庁舎東館(地下1階・地上18階・12,100㎡)は,このシステムで施工した。以降17年経過したが劣化現象は見られず,打放しコンクリート表層面の維持保全状況は良好でメンテナンスフリーである。本工法による施工は500物件余を数え,45万㎡に及ぶ実績を有している。
 なお当社は,ISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム),並びにOHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)の三つを統合したマネジメントシステムに基づき施工を実施している。
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 次回は、月刊建築仕上技術2006年7月号、特集:外壁汚れ防止・除去技術の最新動向「打放しコンクリート・光触媒仕上げシステムについて」を、お送りします。

 さて、この年の重大ニュース、9月26日、小泉内閣が総辞職し、阿部内閣が発足。組閣は[総理]安倍晋三、[総務]菅義偉、[法務]長勢甚遠、[外務]麻生太郎(再任)、[財務]尾身幸次、[文部科学]伊吹文明、[厚生労働]柳沢伯夫、[農林水産]松岡利勝 (後に自殺)、[経済産業]甘利明、[国土交通]冬柴鉄三(公明)、[防衛]久間章生(後に辞任)、[規制改革・行革]佐田玄一郎(後に辞任)。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-12-14 07:20 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(100)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、「打放しコンクリートと共に」 その(100)、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」、最終回「4.セルフクリーニング機能と性状」から「5.おわりに」をお送りします。

4.セルフクリーニング機能と性状
 部材表面の意匠性の維持保全は打放しコンクリートに不可欠要素である。本ボードに採用されるNY-セラクリーンは、ケイ酸塩を加水分解した無機コーティング材で無色透明の塗膜を形成し、意匠性を阻害することがない。塗膜の親水性の働きにより雨水が汚れの下に入り込み汚れが浮き上がり雨水と一緒に流れ落ちる。
 NY-セラクリーンの性状は次の様である。
 塗膜表面に-OH(親水基)が並び親水性表面となる。光触媒と異なるところは、直接塗布できることの外、日射を必要とせず水(雨)だけで汚れを除去する。ボードとの接触角が小さければ水は濡れ広がりセルフクリーニング効果を発揮し、大きければ水滴となり汚れの原因となる(図4)。
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5.おわりに
 本ボードの外断熱とセルフクリーニング機能は、深刻化する地球環境とそれに伴うヒートアイランド現象や大気汚染などに対応し、同時にこれら汚染物質の付着による建物外装を保護、美観の維持保全に寄与するものである。
 断熱効果による冷暖房効果の節減とセルフクリーニングによる美観の保持は建物の維持保全管理経費の削減に留まらず資産価値の低下を抑制することにも繋がる。 
 懸案であった小規模建築物に打放しコンクリート意匠を具備したボードの開発により、打放し建築が身近なものとなり低コストで手軽に設計・施工が可能となった。しかも外装用建材分野に打放し意匠を具備したボードに留まらず、二つの環境対策に呼応した外断熱とセルフクリーニング機能は将来ボードに限らず建築物の外装には必需化されるものと思われる。
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 次回は、建築技術2006年6月号特別寄稿「打放しコンクリートのリニューアル」をお送りします。

 それでは次回をお楽しみに!

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 「打放しコンクリートと共に」シリーズも100回を迎えることが出来ました。
 これも偏に多くの読者の方々に支えられながら出来たものと感謝いたしております。
 打放しコンクリート建築に携わって51年1970年の大阪万博を初めとして皇居新宮殿、新御所と著名な打放しコンクリート建築の仕上げに参加させて頂きました。
 爾来、地球規模の環境悪化に伴う経年劣化にあえぐ打放しコンクリートの再生工事と時代の変化を共に受けながら、新技術の開発を続けて参りました。
 これからも、信頼いただける打放しコンクリート仕上げ技術に一層の磨きを掛け邁進していく所存でございます。
 今後とも、どうか変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

                                      By pikayoshi72
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by pikayoshi72 | 2009-12-07 07:17 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(99)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」を2回に分けご紹介します。
本日は第1回、「1.はじめに」から「3.NY-ヒートカットの機能と効果」をお送りします。
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1.はじめに
 物の本質を表現する現代建築作法の一つに打放しコンクリートがある。特に素材の持つ質感の美しさと形成される空間は自然環境を演出し癒しを醸し出し魅了する。
 この様な背景から美術館、教会、学舎など比較的大型な建築に多く採用されてきた。多くの人々の心を引き付ける打放しコンクリート建築は、最近ではその範囲を広げ住宅、店舗など小規模建築にまで及んでいる。打放しコンクリート建築は、一方に於いて高度な施工技術を要し、しかもやり直しのきかないところにその難しさがある。
 特に小規模な打放しコンクリートは、難易度が高く不具合が避けられない。この様なことからニーズがあり乍ら対応に苦慮しているのが現状である。この様な実態に鑑み打放しコンクリートの意匠性を具現化しつつ、しかも工期短縮とコスト低減に対応誕生したものがノンクリート打放しボードである。本ボードは内外装二種で構成させている。本稿は新技術を導入、環境問題で懸案とされているヒートアイランド現象と深刻化する大気汚染による汚れの付着に対応したノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプについて紹介する。
 打放しコンクリートは部材表面が仕上げとなるため、新築時に於いてのふぐあいは健全な表面に合わせて修復しなければならない。しかもその表面は直接自然環境に曝され劣化損傷の起因となっている。建物を取り巻く厳しい環境は改善の兆しはなく早期劣化が指摘され、その解決が急務となっている。
遡ること40年余り、打放しコンクリートの不具合の修復技術と、その後の経年劣化現象に対応した再生技術による多くの施工実績をフィードバック、表面に発生した各種の不具合に対応した修正及び再生後術の採用によって維持保全が長期間にわたるものとした。
 打放しコンクリートとは、英語で“Exposed Concrete”で部材表面にコンクリートが現れていればよいと定義されている。これを基として蓄積された仕上げ技術をボードに投入、表面が打放しコンクリート仕上げであること、基材にコンクリートでなく窯業系ボードであること、その表面をコンクリート色調の断熱塗材を施し打放しコンクリート調で仕上げすることにより意匠性と耐久性を確保、トップコートにセルフクリーニング機能を付与し製作されたものがノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプである(写真1)。
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2.ノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプの工程と意匠性
 打放しコンクリートの意匠性の具現化が本ボードのポイントである。すなわち表面をコンクリート色に調合した断熱塗材NY-ヒートカットを基材表面に塗布、次に意匠性を表現する型枠模様の造成後、劣化進行を阻止するフッ素樹脂を塗布する。これにより外断熱性を有した打放しコンクリートのイメージと表面の耐久性が付与される(図1)。
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3.NY-ヒートカットの機能と効果
 NY-ヒートカットの断熱効果のメカニズムは、特殊熱反射顔料と特殊セラミックが作用し、熱作用の高い近赤外線を効率よく反射・散乱し太陽熱の吸収を防ぎ高い断熱性を実現する(図2)。
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 在来の内断熱工法は断熱材側の躯体温度が外気と同じになり、躯体内が高湿度による結露状態になりやすく、湿度90%以上でカビを発生させ、カビを餌とするダニの繁殖にもつながる。この躯体内高湿化と結露発生を防止するには、外断熱工法が効果的である。断熱ボードは一般のボードと比較して熱伝導率が低く保温材としても機能するため、効率のよい断熱効果を生み出す。
 汎用ボードとノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプの表面に室内ランプを照射し裏面温度を測定した結果をグラフに示す(図3)。
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 次回は、「打放しコンクリートと共に」 その(100)、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」、最終回「4.セルフクリーニング機能と性状」から「5.おわりに」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、11月17日、国土交通省の発表により姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造が21件あることが発覚しました。うちマンション・ホテル12棟については震度5以上で倒壊の危険性が有ることが判明。以後、マスコミで大きく取り上げられ社会問題になりました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-11-30 07:20 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(98)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、光アライアンス2005年3月号製品技術紹介「ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ」の最終回「4.ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ」、「5.まとめ」をご紹介します。

4.ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ
 太陽光線は、大きく3つにわけて、紫外線、可視光線、赤外線がある。
 このうち、紫外線の波長は約200nm〜380nm、可視光線が380nm〜760nm、最も長い赤外線が760nm以上で、可視光線は地上に光を、赤外線は熱を送っている。
 通常の仕上げに使用される塗材は、熱作用の高い近赤外線を吸収するため温度上昇が大きい。熱を反射する塗材として、遮熱塗料がある。その多くは屋根に使用され塗料中に配合された特殊熱反射顔料や特殊セラミック(シラスなど)が、熱作用の高い近赤外線を効率よく反射・散乱し、太陽熱の吸収を防ぎ、また、塗膜にいったん吸収された熱を特殊セラミックの働きにより熱放射する。これらの複合作用により、高い遮熱性能を実現している。
 これらの性状を保持しつつ、打放しコンクリート表層面の意匠性と耐久性を具現し、かつ、外断熱機能を付与させるものを目的として開発されたものが、NY−ヒートカットである。
 新開発の断熱塗料NY−ヒートカットは、打放しコンクリート意匠を具現させコンクリート素材感を表現する断熱塗料で、今まで実用化は不可能とされていた。NY−ヒートカットの開発によってノンクリート打放しボード外装用外断熱タイプが実現したものである。
 図3はボードの断熱作用を比較実験したもので、室内ランプにて一定時間照射したボードの裏面温度を測定した。結果が示すように、従来品は15分で70.4℃に達したのに対し断熱タイプは57.4℃で、13.0℃の温度抑制差がみられる。
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5.まとめ
深刻化する都市環境の悪化に対応した諸材料の開発は多様化しつつある。特にヒートアイランド現象に対応した建築材料は、ますます進化を促していくであろう。
 ノンクリート打放しボード断熱タイプは表層面が打放しという独特の外壁建材で、打放しをより身近なものとし、しかも、環境対応機能を付与した外断熱という新しい技術を付加し実用化させたところに、外壁材としての特異性がある。
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次回は、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」をお送りします。

さて、この年の重大ニュース、12月22日、厚生労働省が2005年人口動態統計の年間推計を発表しました。結果、1899年の統計開始以来初めて人口自然減という結果に!

それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-11-23 09:07 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(97)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、光アライアンス2005年3月号製品技術紹介「ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ」を2回に分けご紹介します。
本日は第1回「1.はじめに」から「3.内断熱と外断熱」をご紹介します。
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1.はじめに
 打放しコンクリートは、国内外の著名な建築家により歴史的な建造物に広く採用されてきた。その背景は構造体としてのコンクリートの特性にも大きく関わるが、コンクリート自体が持つ素材としての重厚感と簡素な造形の美しさが卓越していることにある。
 こうした素朴な仕上げにもかかわらず打放しコンクリート建築の施工においては、万全の施工管理と、細心の注意を払ってしても、不具合の発生は避けられない。
 このような観点から、打放しコンクリート表層面は意匠性や耐久性に関わる極めて重要な部分といえる。
 不具合に対応した補修、経年劣化に適応した再生技術の外、最近の環境汚染による打放しコンクリート表層面の汚れの付着は著しく、竣工後数年で意匠性まで阻害する例など美観の維持保全上大きな問題として提起されている。
 このようなことを背景に、新築時の脱型直後の表層面に生じた不具合と劣化外力を直接受け、劣化進行の起点となる汚染物の付着に注目し、打放しコンクリート表層面の不具合と経年劣化に対応した補修・再生の技術工法が開発された。
 これらの不具合対応工法や経年劣化により発生した不具合に対して行われる補修・再生工法を応用し、窯業系のサイディングボードに導入開発されたものが『ノンクリート打放しボード』である。
 ノンクリート打放しボードは内装・外装の仕上げ用建材として構成され、Pコンと呼ばれる穴がリアルに再現してある。また、内装用はケイカル板でホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を取得。外装用は窯業系のサイディングボードで不燃認定も取得している。
 用途としては、今まで高価で技術的にも困難とされる打放しコンクリートに替り、一般店舗の内装やモデルルーム、木造や鉄骨造など比較的小規模な打放しコンクリート意匠の内外壁として利用されている。

2.ヒートアイランド現象
 都市の中心部の地上気温が周辺部より高くなる現象をヒートアイランド現象という。都市内外の気温差は1年を通じてあるが、とくに風のない夜間は差が大きく、また夏よりも冬のほうが温度差が大きいという傾向がある。
 その主な原因は、①アスファルトの道路は昼間の太陽の熱射で深層まで高温となり、夜間に蓄積された熱が放出されること②樹木は大量の水を空気中に吐き出しており、緑地面積が小さくなると植物や地表からの水分の蒸発量が減少し、蒸発潜熱が減少すること③都市への人口の集中により各種のエネルギーの使用量が増え、排熱量が増加すること④高層建物などの壁面で熱が多重反射するため都市の構造物が加熱され易くなることなどがあげられる。
 これらのことが悪循環になって、都市部の気温は年々上がり続けている。
 その対策としては、車の排気ガスの排出抑制、工場で発生する排熱の回収、住宅建設における断熱材の使用、太陽エネルギーの使用、風力発電システムの導入、ゴミ焼却排熱の利用などの人工排熱の低減化、緑の倍増、道路の沿道の緑化、建物の屋上の緑化、多自然型河川の造成、雨水の涵養と湧水の安定などの都市における緑や水辺の保全があげられる。

3.内断熱と外断熱
 前記したような環境問題を背景として、一般的な建物においては省エネ目的の断熱材が採用されている。その多くは内側に断熱層を設ける内断熱工法がほとんどである。
 内断熱は断熱材側の躯体温度が外気温と同じになり躯体内に高湿度あるいは結露状態ができやすく、湿度90%以上ではカビを発生させ、カビを餌とするダニの繁殖にもつながる。
 一方外断熱工法は、躯体内高湿化、結露発生の防止に有効的で、冷暖房効率も効果的で、太陽光の吸収・蓄熱作用を遮断し、温度上昇を抑制する効率的な工法である。(図1参照)
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 次回は、最終回「4.ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ」、「5.まとめ」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、3月25日~9月25日の会期で、「愛知万博」愛・地球博が開催された。テーマは「自然の叡智」、サブテーマは「宇宙、生命と情報」「人生の『わざ』と知恵」「循環型社会」と抽象的でわかりにくいものとなっていました。 出展費用が無料で支援費が出ることもあり、発展途上国からも多数の参加がありました。目玉は冷凍マンモスで、総合的な万博は35年ぶりの開催。2200万人が来訪したが、 「食中毒対策の一環」と称して当初手作り弁当の持ち込みが禁止されましたが、さすがに疑問の声が多く出たため、最終的にはお弁当の持ち込みは可能となりました。

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-11-16 07:18 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(96)

こんにちはpikayoshi72です。

今回は、FINEX2005年1、2月号我が社の新材料・新工法「ノンクリート打放しボード・外断熱タイプ」の最終回「4.セルフクリーニング機能」から「8.おわりに」にまでをご紹介します。

4.セルフクリーニング機能
 部材表面の意匠性の維持保全は打放しコンクリートに不可欠要素である。本ボードに採用されるNY-セラクリーンは、ケイ酸塩を加水分解した無機コーティング材で無色透明の塗膜を形成し、意匠性を阻害することがない。塗膜の親水性の働きにより雨水が汚れの下に入り込み汚れが浮き上がり雨水と一緒に流れ落ちる機能を有する(図4)。
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・ノンクリート打放しボードとの接触角が小さければ水は濡れ広がりセルフクリーニング効果を発揮し、大きければ水滴となり汚れの原因となる(図5)。
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・NY-セラクリーンの性状
塗膜表面に-OH(親水基)が並び親水性表面となる。光触媒との異なるところは、有機材料に直接塗布出来ることの外、日射を必要とせず水(雨)だけで汚れを除去する。
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5.ノンクリート打放しボードの積層塗材の概要
   基材表面に施される仕様は次の通りである。
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6.ノンクリート打放しボードの仕様と施工
 基材はケイ酸カルシウムを主原料とし、高温で養生した窯業系サイディングボードである。長期にわたり安定した性能を有し、過酷な環境においても劣化はほとんどない。高温・高湿などに対して、高性能の浸透性吸水防止材を基材全面に含浸塗布されている。常に降雨にさらされる表面には、三層にわたる防水機能が施されている。施工に際しての事項は次の通り。
■施工高さの目安は13m以下または、      
地上3階建て以内とする。
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 ■ビス打ち縁端距離
縁端距離は30㎜以上(相欠り部分を除く)を確保する。
縁端距離:材料周辺部におけるビス打ち部の小口からの距離
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■胴縁サイズ
 胴縁は所定のサイズを使用する。
 ★木下地:45×21同等以上
 ★鉄骨下地:  -100×50×20×2.3同等以上
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■胴縁の方向
 ノンクリート打放しボードをヨコ張りする場合はタテ胴縁、タテ張りの場合はヨコ胴縁を基本とし、ノンクリート打放しボードの長手方向に直角に胴縁を入れ、固定することによって、より強度(風圧や衝撃)に対して有利に働くためで、また、材料の挙動(反り、伸縮など)を抑制する。
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■胴縁間隔
胴縁間隔は455㎜以下
■施工上の注意
ノンクリート打放しボードを張る場合は、四周をコーキングする。
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7.ノンクリート打放しボードの仕様
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8.おわりに
 本ボードの外断熱・セルフクリーニング機能は、深刻化する地球環境に伴うヒートアイランド現象などに対応し、同時に汚染物質の付着による建物外装を保護、美観の維持保全に寄与するものである。
 断熱効果による冷暖房経費の節減とセルフクリーニングによる美観の保持は建物の維持管理経費の削減に留まらず資産価値の低下を抑制することに繋がる。
懸案であった小規模建築物に打放しコンクリート意匠を外装に供与、低コストで手軽に設計・施工が可能となった。従来なかった外装用建材分野に打放し意匠ボードを提供、外断熱とセルフクリーニングの二つの環境対応機能は将来建築物の外装には必需化されるものと思われる。

次回は、光アライアンス2005年3月号製品技術紹介「ノンクリート打放しボード外装用断熱タイプ」をお送りします。

さて、この年の重大ニュース、2月7日、愛知県常滑市に中部新国際空港(通称セントレア)が開港しました。 常滑市沖を埋め立てた海上空港ですが、社長がトヨタグループ企業の社長だったこともあり、通称「トヨタ空港」とも呼ばれています。

それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-11-09 07:00 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(95)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、FINEX2005年1、2月号我が社の新材料・新工法「ノンクリート打放しボード・外断熱タイプ」を2回に分けご紹介します。
 本日は「1.はじめに」から「3.NY-ヒートカット断熱材の機能と効果」をご紹介します。
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1.はじめに
 物の本質を素直に表現する現代建築の作法の一つに打放しコンクリートがある。特に素材の持つ量感の美しさと形成される空間は自然環境を演出し癒しを醸し出す。
 この様な背景から美術館、教会、学舎など比較的大型な建築に多く採用されて来た。多くの人々の心を奪う打放しコンクリートは、その範囲を拡げ最近では、住宅、店舗など小規模建築にまで及んでいる。打放しコンクリート建築は、一方に於いて高度な施工技術を要し、しかもやり直しのきかないところにその難しさがある。
 特に小規模な打放しコンクリートは難易度が高く、不具合が避けられない。この様なことから大きなニーズがあり乍ら対応に苦慮しているのが現状である。この様な実態に対し打放しコンクリートの意匠性を具現化し、しかも工期短縮とコスト低減に対応したものがノンクリート打放しボードである。本ボードは内外装で構成されている。本稿はヒートアイランド現象を意識した外装用ボード・外断熱とそのルーツを紹介する。
 打放しコンクリートは部材表面が仕上げであり、表面は直接自然環境に曝され劣化損傷のもととなる。不具合は健全な表面に合わせ補修しなければならない。建物を取り巻く環境悪化は日に日に著しく、早期劣化が指摘され、その解決が急務とされている。
 遡ること40年余り、打放しコンクリートの不具合の補修と、その後の劣化事象に対処する技術開発と施工、経年劣化の追跡調査を重ね、新旧打放しコンクリートに不可欠な不具合に供する修整技術と劣化損傷に対する補修・再生技術を蓄積フィードバックし、維持保全が長期間にわたり期待できる技術(吉田工法)を確立した。本工法は1993年日本建築仕上学会学会賞技術賞を受賞した。
 打放しコンクリートとは、英語で “Exposed Concrete” で部材表面にコンクリートが現れていればよいと定義されている。これを基として蓄積された技術をボードに導入、表面が打放しコンクリート意匠仕上げであること、基材にコンクリートでなく窯業系ボードであること、その表面を吉田工法で仕上げすることにより意匠性と耐久性を付与、完成されたものがノンクリート打放しボード・外断熱タイプである。
2.ノンクリート打放しボード・外断熱タイプの意匠性
 打放しコンクリートの意匠性の具現化が本ボードのポイントである。すなわち表面をコンクリート色に調合した断熱塗材NY-ヒートカットを基材表面に塗布、意匠性を表現する型枠模様の造成、次に劣化進行を阻止するフッ素樹脂を塗布する。これにより打放しコンクリートのイメージと表面の耐久性を付与する。
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3.NY-ヒートカット断熱材の機能と効果
 現在、建物の断熱工法として、内断熱と外断熱がある。
建物の内側に施工される内断熱工法は、断熱材側の躯体温度が外気と同じになり、躯体内が高湿度による結露状態になりやすく、湿度90%以上でカビを発生させ、カビを餌とするダニの繁殖にもつながる。
この躯体内高湿化と結露発生を防止するには、外断熱工法が効果的である。そこで、断熱塗料NY-ヒートカットを基材外部に塗布し断熱層を設けたものがノンクリート打放しボード・外断熱タイプである。
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 NY-ヒートカットの断熱効果のメカニズムは、特殊熱反射顔料と特殊セラミックが作用し、熱作用の高い近赤外線を効率よく反射・散乱することにより太陽熱の吸収を防ぎ高い断熱性を実現する。また、
外部環境の温度変化を受けにくいことによる省エネ性が挙げられる(表1、図2)。
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 次回は、FINEX2005年1、2月号我が社の新材料・新工法「ノンクリート打放しボード・外断熱タイプ」「4.セルフクリーニング機能」から「8.おわりに」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、4月25日、午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市で、JR西日本・福知山線の快速電車の先頭車両4両が脱線、うち2両が線路から約6メートル離れたマンションに激突し、107人が死亡、549人が負傷し、JR史上最悪の大惨事となった。 快速電車は脱線事故直前に1分半遅れで伊丹駅を出発し、塚口駅を通過した後、右カーブに入るため制限速度が時速70キロに決められている区間を、時速108キロで走行していたことが判明した。
 それでは次回をお楽しみに!
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by pikayoshi72 | 2009-11-02 08:55 | ブログ

「打放しコンクリートと共に」 その(94)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、防水ジャーナル2004年10月号特集:きれいな外壁仕上げの方法、工事事例報告と題して、
(RC造・事務所の場合)「打放しコンクリート外壁における光触媒仕上げ」を読み切りでご紹介します。
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◆工事概要
工事名称:社団法人四国建設弘済会高知支所施設新築工事
所在地:高知県高知市南新田町2番30号
用途:事務所
施主:社団法人 四国建設弘済会
設計者名:プランツアソシエイツ
工期:平成15年2月
敷地面積:約1,200㎡
施工面積:約500㎡
構造:鉄筋コンクリート造
施工:ニチエー吉田株式会社

◆工事詳細
 工程:漆喰壁の上に、①NY-Aシーラー②NY-7090③NY-8090トップコート④NY-バリアコート⑤NY-光触媒仕上げ
施工仕様および工法:打放しコンクリートSEFシステム(特許:吉田工法)+光触媒仕上げシステム(特許:吉田工法)
使用材料:ニチエー吉田製品

◆材料および工法・仕様選択の経過
 本物件は四国に建設された事務所の外壁に光触媒仕上げを施した物件である。
ここで当社の光触媒仕上げシステムについての概略を説明する。一般的に光触媒とは光が照射されることにより、それ自身は変化をしないが化学反応を促進する物質のことをいう。広く一般的に建築材料等で言われている光触媒とは、酸化チタンを主原料としたものであり、有機物を分解することができる。有機物の分解はさまざまな効果を発生させる。脱臭、抗菌、防汚、浄水、大気浄化など、排気ガス(NOx、SOx)をはじめ、シックハウス症候群の要因といわれるホルムアルデヒドや、タバコのにおいの成分であるアセトアルデヒド、その他アンモニア臭など、身の周りのさまざまな空気の汚れを除去することができる。
 しかし、光触媒自体には防水機能はなく、現在主流とされ最も多く採用されているフッ素樹脂やその他の有機質防水材に光触媒を塗布した場合、有機質防水材である塗膜を分解し、防水機能を喪失させてしまうことがある。
 このようなことから光触媒仕上げによる外壁に塗膜型の防水性とセルフクリーニング機能の両立は不可能であった。
 そこで、当社の光触媒仕上げシステム(図1参照)は、光触媒と塗膜型防水材との間にバリアコート(過酸化チタンを主成分とする材料)を介在塗布することで問題点を解決した。打放しコンクリートに防水性、セルフクリーニング性にプラス超耐久性付与を可能としたもので、全く異なる発想から生まれた高次元新技術である。
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◆工事の特殊性
 打放しコンクリートに於いては、光触媒仕上げ自体がまだ特殊な工事であるといえる。当社においても、施工事例が少なく、経年劣化による性能変化などフィールドに於ける問題点が課題としてある。光触媒塗布工事は従来の塗装の概念を全く変えるもので、テスト施工や塗布方法の選定等、多くの実験を繰り返し、実用化することができた。(図2参照)
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◆まとめ
 長年の課題であった打放しコンクリート外壁の高耐久性付与は、今日ではほぼ解消されたといえる。しかし、深刻化する都市部の環境悪化に伴う汚れの付着は必然的な事象として、避けて通ることのできないものとされていた。特に打放しコンクリート表層面の著しい汚れは資産価値を減少させるため、美観と資産価値を維持させるために定期的なクリーニングが必要でそのコスト負担は大きなものであった。
 本システムを構成する光触媒によって、汚染物の分解作用と親水性によるセルフクリーニング機能は建築に対してその果たす役割は計り知れないものがある。今日まで外壁の宿命とした汚染物の付着が、光触媒の実用化によって美観の維持だけでなく建築の資産価値と周辺環境の向上に寄与する点からも画期的な新技術といえよう。
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                   写真1 光触媒仕上げシステム施工物件
 次回は、FINEX2005年1、2月号我が社の新材料・新工法「ノンクリート打放しボード・外断熱タイプ」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、3月13日、 九州新幹線の新八代駅-鹿児島中央駅間が開業しました。また、日本が小さくなりました!

 それでは次回をお楽しみに!

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by pikayoshi72 | 2009-10-26 07:24 | ブログ