「打放しコンクリートと共に」 その(54)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は建築技術1992年12月号,特集「RC打放しのデザインとその技術」の「打放しの問題とその対策」を4回にわたりご紹介します。本日はその第3回目「打放しリニューアルの仕様と施工」「打放しリニューアルに際しての改善提案」をご紹介します。

打放しリニューアルの仕様と施工
 調査結果報告書に基づき工法選定後,リニューアルの詳細施工方法を特記仕様書にまとめたもののうち,打放し関係箇所を抜粋して記す。(表2)なお,施工要領書は特記仕様書と重複するため割愛した。
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 施工は図2のような順序で行う。施工状況を写真16~21に,リニューアルが完了した外観を写真22,23に示す。また,処理部の詳細を図3,4に示す。
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打放しリニューアルに際しての改善提案
 打放し建築のリニューアル施工物件を経年後に追跡調査し得た改善工法を提案する。
①金属笠木の採用
 打放し建築の最上階の天端仕上げは,当時モルタル笠木が主流となっていた。そのほとんどは浮き・ひび割れが生じている。これらは,改修時にすべて補修され現状回復はされるが,モルタル笠木のままでは天端の防水対策として不十分である。
雨水や汚れ防止対策には,モルタル笠木を金属笠木でカバーリングするのが不可欠である。取付位置は,打放し前面より20mm以上はね出し,雨水の水切りをよくし,打放し面への雨水の垂れ流しを防止するための間隙をもたせて取り付けることである。(図5)
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②手すり・ベランダ腰壁の防水処理
 階段手すりやベランダの腰壁など雨水のあたる箇所の天端は,表面の劣化が著しい。これら表面は調合樹脂モルタルでしごき塗りして下地成形し,打放しに合わせた強靱な防水仕上げを施す必要がある。
③かぶりコンクリート厚さ不足箇所の鉄筋処理
 主に庇上裏で規則的に位置した鉄筋が錆化して,錆のしみ出しがあるが,かぶりコンクリートを剥落させるには至っていない。しかも水分の浸透の形跡がなく,鉄筋の錆化膨張によるひび割れがないため安易な処置ですませる傾向が多い。しかし,これらはすべてはつり出し,しかもかぶり厚さを考慮に入れた深さまで溝はつりして鉄筋を押し込み,少なくともかぶり厚さ10mm以上は確保したい。(図3)
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④ひび割れ処理
 日射温令の繰返し作用を受けて,ひび割れは補修後も継続的に繰返し伸縮している。ひび割れの動きに追従する弾性材質による補修が大切である。エポキシ樹脂やポリマーセメントモルタルなど硬いもので補修した場合,バイパスクラックが生じ再び雨水の浸透を招くことになり,打放しリニューアルの成果が失われることになる。(図4)
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⑤超耐候性防水材の塗布
 防水性能の低下喪失による打放し面の雨水の浸透は,内部鉄筋の腐食を引き起こし,劣化損傷を速めることになる。リニューアルの重点項目として,超耐候性防水材であるフッ素樹脂やアクリルシリコン樹脂を塗布することが望ましい。ただし,フッ素樹脂は汚れが付着しやすいと言われている。

 次回は建築技術1992年12月号,特集「RC打放しのデザインとその技術」最終回「リニューアル物件の分類」をご紹介します。

 この年1992年の重大ニュースとして9月12日、米NASAのスペースシャトル「エンデバー」で毛利衛が飛び立ち、8日間の宇宙飛行をしましたが、その際スペースシャトルから「宇宙授業」が中継されました。

それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-01-19 07:27 | ブログ


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