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「打放しコンクリートと共に」 その42

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は「建築技術」増刊1991年4月号、特集:建物の劣化診断と補修改修工法 「コンクリート打放し仕上げの再生技術」を4回に分け、ご紹介します。
本日はその第3回、打放しコンクリート若返りシステムの工程、4)エラスティックフィラーモルタルによるひび割れ部充填補修から6)木コン穴の補修までをご紹介します。

4)エラスティックフィラーモルタルによるひび割れ部充填補修
 躯体コンクリートに発生したひび割れ補修方法として、ひび割れの発生原因が鉄筋の腐食によらない場合、従来からエポキシ樹脂の注入工法が効果的といわれているが、ひび割れは常に振動・荷重の増加、温度・湿度の変化等によりコンクリートの伸縮挙動が繰り返されているため、注入した近傍に新たなバイパスクラックが発生する。このようなひび割れに対しては普通モルタルの10倍以上の引張変形性能をもつエラスティックモルタルを使用することにより、ひび割れの再発防止と防水性を付与することができる(写真2.21)。
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 施工はひび割れ箇所をUカットし、深部をウレタンコーキング、次にエラスティックフィラーを塗布し、エラスティックモルタルで仕上面まで充填形成する(図2.19)。
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5)調合樹脂モルタルの修整
 欠損部の補修は、そのつど躯体に合わせた調合樹脂モルタルによる修整とする。調合樹脂モルタルは、接着力・色調・強度・耐候性が高く、また打放しコンクリートの表面の色合いを的確に再現できる優れた調合モルタルである。なお表面修整モルタルと躯体の一体化は打放しコンクリートの不可欠条件で、高度技術を要する。
 露出鉄筋まわりのコンクリートをはつり取った部分への埋め戻し(パッチング)は、防錆処理のうえ調合樹脂モルタルを用いて強固に一体化させる。この際かぶり厚を確保するため、鉄筋を内側へ押し込むなどの処置が必要である(写真2.22)。
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6)木コン穴の補修
 木コンは新築時にセメントモルタルによる埋め込みが施されている。経年劣化とモルタルの収縮により、木コンは離脱、あるいは浮いていることが多い。これらの木コン穴の残滓を取り除き、新たに底部にシーリングを充填し、接着性・無収縮性・耐水性の優れた調合樹脂モルタルの埋め込みを行う(写真2.23)。
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次回は「建築技術」増刊1991年4月号、特集:建物の劣化診断と補修改修工法 「コンクリート打放し仕上げの再生技術」の最終回、7)打放しコンクリート表面の若返り色合わせ・型枠模様の造成から9)おわりにをご紹介します。

さて、この年の重大な出来事として4大証券が巨額の損失補填、6月20日野村証券の大口顧客への損失補填と暴力関係者との取引きが発覚し4大証券会社も同様に補填していたことが発覚。そして7月22日、野村証券の会長と副会長の辞任が発表され、29日大手証券4社は損失補填の相手先リストを公表、228法人と3個人で総額は1283億円となりました。

それでは次回をお楽しみに!
by pikayoshi72 | 2008-10-27 07:47 | ブログ


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