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「打放しコンクリートと共に」 その33

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は(株)建築知識の月刊「建築知識」1989年7月号、特集:RC打放し監理術、「打放し・補修テクニックとメンテナンス」の4回目、補修のテクニック をご紹介します。

補修のテクニック
■表層乾燥
 脱型後2週間(夏期)以上の乾燥養生が必要である。少なくとも表層面の乾燥は補修材の色調の基本となるので注意し、含水率8%程度としたい。
■地肌の確保
 表層の乾燥養生後、打放しコンクリート全面を洗浄する。錆汁、セメントノロ、エフロレッセンス、塵埃を除去し、コンクリート地肌を出す。
その後、表層の強化、毛細管を塞ぎ、緻密な表層と耐酸性の向上を図ることにより耐久性能を付与するためコンクリート強化剤(NY-506ケミカルライズ処理)を塗布する。
■取組み姿勢
 欠損部の種別として豆板、コールドジョイント、型枠の段違い、目地の歪み、ピンホール、型枠の色ムラ等があるが、これらは打放し全域に分布発生していることが多い。設計者や現場監督者は、最初の大きな欠損部に目を奪われ、小さな箇所の補修をなおざりにし、修整が進むに従い次々と目についたものを追加補修をさせることが多い。全体を把握しないままの施工は結果的に失敗することになる。ピンホールの例でいえば、具体的に大きさ何mm以下は残し、それ以上のものは全て充填するなど全体を頭に入れて補修着手前に範囲・グレード・色調を明確にしておくことである。
■工程タイミング
 補修には躯体に合わせた調合技術と施工手順が大切である。(図-2)
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 十分な知識と経験をもち、それぞれの施工手順に従いタイミングよく施工する。(写真-2)
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 例えば、調合モルタル修整後、養生期間を長くおいたため、強度が出過ぎて研磨修正が困難となり、斫り取って再度補修するということがある。
 補修では、補修材の調合テクニックと、施工環境に影響を受けない補習後の保護養生と、次の工程に取りかかるタイミングが仕上がりの出来不出来に関係してくるので経験を要するところである。
■型枠模様
 補修のメインは何といっても型枠模様を始めとして樹脂、ベニヤ、鋼板と多様化しているが、表層に表れる型枠模様も千差万別であり、色調も複雑きわまりない。欠損部はこの表層模様が失われているため補修モルタル充填成型後の重要な仕上げとして高度の技術が集中される。
型枠模様再現の色調には、耐候性んp高い数種のカラーコートに合成樹脂を添加し、しかも周辺部の型枠模様に連続したものに表現しなければならない。要は再生造成された模様が一体化されればよいということに尽きる。
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■防水剤
 補修された打放し仕上げの表層に防水剤を塗布するが、経年後の防水性能の低下は躯体コンクリートと補修箇所の吸水性の差異から歴然と目立ってくる。防止方法の一つとして躯体と補修箇所とは別々に考え、それぞれの塗布量、塗布回数等を考慮しなければならない。また竣工引き渡し後、防水剤を塗布してあるから大丈夫と安心しているわけにはいかない。2年ほど経過して追跡調査をしてみると、乾燥収縮に起因したと思われる毛細ひび割れが発生していることがあり、一部にひび割れからの水分浸透によるエフロレッセンスの流出がみられる。
 防水剤の耐久性は各社それぞれ5~10年あるとされているが、、表層が健全な状態を前提としている。しかしコンクリートの乾燥収縮によるひび割れがあり(写真4)、その対応についての技術的な説明は少なく、カタログ資料を鵜のみに出来ない。
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理想としては、乾燥収縮が終息した時期にメンテナンスを兼ねて再度防水剤を塗布することがよい。
■表情を変えない
 打放し仕上げは地肌をいかに生かすかに尽きるが、有機溶剤型の塗布防水は打放しの表情を変え、濡れ色にし、しかも補修箇所を歴然とさせてしまう。このため、含浸性の無色透明の撥水剤が採用されることが多いが、撥水剤は耐久性に乏しく、風雨に対処し得ないことがある。強靱な透明塗膜で地肌の変化のない防水塗膜材が打放しには必要不可欠である。
打放しに採用される型枠は本実、樹脂、ベニヤ、鋼板など様々であるが、本実型枠とベニヤ型枠は、仕上げに艶は禁物である。一方樹脂、鋼板は艶が特徴となっている。しかし、この艶も型枠脱型後数回の降雨に接するだけで半減し、同一建物の外部と内部が異なった打放し仕上げとなりがちである。これは艶が消失しないうちに防水保護することである。
とはいっても養生等の対応ができかねることもあって、ほとんど外部にいたっては艶はなくなっている。艶の消失と防水性能の低下とあまり関係ない。なお、艶の再生は表面固定処理トップコートを塗布することで可能である。
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 さて次回は「建築知識」1989年7月号、特集:RC打放し監理術、「打放し・補修テクニックとメンテナンス」の最終回「打放しのメンテナンスをどう考えるか」をご紹介します。

 さて、この年1989年の重大トップニュース、海外編で「ベルリンの壁崩壊」です。 11月9日、東ドイツ政府は市民の国外旅行、移住規制簡略化と称して西ドイツとの壁を実質的に撤去しました。これにより東西対立の象徴的存在だった壁は28年ぶりに崩壊しました。

それでは次回をお楽しみに!
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by pikayoshi72 | 2008-08-25 07:35 | ブログ


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