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「打放しコンクリートと共に」 その29

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は「施工」1988年12月号総特集:最新仕上げ材と設計施工の留意点「打放しコンクリートの若返り」を4回に分けご紹介します。今回は最終回「5施工工程」後編および「あとがき」をご紹介します。

5施工工程

(3)既存補修モルタル部
①浮いている部分のモルタルは完全に除去する。また、豆板を補修したモルタルは完全に取り除き、豆板など脆弱部分は今後の劣化の進行に対して弱点となると考えられることから、このような部分は丹念に斫り取る。
②斫り取った下地部分は、刷毛、ブラシなどで汚れ・ほこりを除去して清掃する。
③NY-7000プライマーを下地部分に塗り残しのないよう塗布する。
④斫りの状況により1~3層に分け、NY-調合樹脂モルタルを塗り付ける。この際、コンクリート表面(仕上げ面)から1~2mm程度下げて仕上げる。
⑤最後に表面修整用NY-調合樹脂モルタルをコンクリート表面(仕上げ面)に合わせて平滑に仕上げる。

(4)修整用NY-調合樹脂モルタルの鏝塗り
 欠損部を処理した箇所は周囲との色違いがあるため、修整用NY-調合樹脂モルタルを薄く鏝塗りし、水引き具合を見定めて毛足の長い刷毛で表面を刷毛引きする。また、5mm以上のピンホールも同様に処理する。
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5)素地全面色合わせ
①打放しコンクリート表面は部位により色違いがあるため、NY-調合樹脂色合わせ(NY-7000)〔特殊アクリル樹脂系:カラーコート:浸透剤:特殊添加剤〕をローラーで塗布する。
②下地のコンクリートに起因するひびわれに追従するNY-調合樹脂色合わせ(NY-8000)〔特殊アクリル樹脂系:カラーコート:浸透剤:特殊添加剤〕をローラーで塗布する。
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6)型枠模様造成
① 特殊灰汁〔カラーコート:浸透剤:添加剤〕による板目・木目を専門職人により各種の刷毛を使用し造成する。

7)表面防水固定処理(NY-7090トップコート)
①各工程に要する樹脂材料・特殊添加剤を含む修整材料の性能発揮と劣化防止のために、耐久性と浸水抵抗の高い緻密な皮膜を形成する表面防水固定処理剤を塗布する。(全面に対して2回塗布)
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あとがき
 外部に接する部位の打放しコンクリートは自然環境の影響を直接受け、表層に劣化症状を表す。このため、当社では施工後2~3年経過した物件を選んで追跡調査することとし、過去10年実施してきた。
 追跡調査の結果確認された劣化症状の原因追及を徹底し、再び繰り返すことのないようフィードバックして施工材料・施工方法の改善を図り若返り技術に向上を資している。
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 今回はこれで終了、次回は「建築知識」1989年7月号、特集:RC打放し監理術、「打放し・補修テクニックとメンテナンス」をご紹介します。

 さて、この年1988年最後のニュース、東京で中学生が、両親と祖母を金属バットと包丁で惨殺した事件がありました。惨い事件ですが、この手の事件、現在に至っては毎日のようにテレビで放映されています。世の中の歯車がどこかで狂っている感じがします!

 それでは次回をお楽しみに!
by pikayoshi72 | 2008-07-28 07:30 | ブログ


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