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「打放しコンクリートと共に」 その28

こんにちはpikayoshi72です。
今回は「施工」1988年12月号総特集:最新仕上げ材と設計施工の留意点「打放しコンクリートの若返り」を4回に分けご紹介します。今回は「5施工工程」の前編をご紹介します。

5施工工程
1)材料の確認
 搬入材料の数量および品質を確認し、不適当なものがあった場合は、その材料の使用は中止する。
2)素地調整
①コンクリートの表面を約200kg/cm2の高圧水で洗浄し、汚れ、ほこりなどを完全に除去する。
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②空洞のある場合は、とれやすい砂利などは叩き落とす。
③表面に付着した鉄筋のさびおよびしみは、ケミカルエースR(当社製)を用いて洗浄する。
④高圧水洗ができない場合は、ペーパー、ワイヤブラシ、高速サンダーなどを用いる。
3)NY-606表面強化処理剤の塗布
 刷毛・ローラーを用いて、400g/㎡のNY-606を含浸塗布する。
 NY-606は各種特殊添加剤を加えた珪フッ化物を主成分とする浸透性の水溶液で、中性化したコンクリート中に含まれる炭酸カルシウムと反応し、不溶性のフッ化カルシウムが生成される反応型無機質系コンクリート強化剤である。不溶性のフッ化カルシウムが固着され、花崗岩質のように結晶化し、コンクリート空隙を充填して強度・防水性・耐酸性が向上する。
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4)欠損部の処理
 各種劣化症状に対する補修方法を以下に示す。
(1)露出鉄筋部
①鉄筋の腐食している部分の周囲を深さ方向に斫り取る。斫り取る深さは、鉄筋をケレン・防錆処理した後にハンマーなどで叩き込める程度とする。
②ワイヤブラシ・電動ケレン機を使用し、さびを完全に除去する。
③NY-特殊防錆材を塗布する。
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④斫りの状況により1~3層に分け、NY-調合樹脂モルタルを塗り付ける。この際、コンクリートの表面(仕上げ面)から1~2mm下げて仕上げる。
⑤表面修整用NY-調合樹脂モルタルをコンクリート表面(仕上げ面)に合わせて平滑に仕上げる。
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(2)ひびわれ部(DD-エラスティックシステム)
①ひびわれに沿って電動カッターを用いて幅12mm程度、深さ15mm程度にU字型の溝を設ける。
②Uカット溝部に付着している斫り片、粉塵を刷毛などで除去。
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③清掃した部分にウレタンプライマーを均一に塗布。
④プライマー塗布後、ウレタンコーキングを行う。充填はUカット溝底部から3mm程度とし、充填後はヘラで十分押え、下地と密着させて表面を平滑に仕上げる。
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⑤次にエラスティックフィラーを均一に塗布。
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⑥NY-エラスティックモルタルを充填する。
注)0.2mm以下のひびわれは、NY-エラスティックモルタルによる木ベラでの塗込みとする。
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 今回はここまで、次回は「5施工工程」後編、「あとがきを」ご紹介します。

 さて、この年1988年、第24回オリンピックがソウル(韓国)で開催されました。 日本選手のメダル獲得は金が4、銀が3、銅が7で 鈴木大地選手が100m背泳で金メダル。他、柔道の斉藤仁、レスリングの小林孝至、佐藤満も金メダル、シンクロでは初のメダルをとりました。

 それでは次回をお楽しみに!
by pikayoshi72 | 2008-07-21 10:19 | ブログ


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