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「打放しコンクリートと共に」 その24

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は3回目「4.打放し仕上げに対する一つの提案」(1)素地の調整(2)コンクリート表面の化学的強化処理 をご紹介します。

4.打放し仕上げに対する一つの提案
 打放しコンクリートは、本来コンクリートの素材を生かすために切り、手をつけないという考え方が基本であると思われるが、やむを得ず生じた不具合や近年のコンクリートの早期劣化問題の定義に対し、適切な方法により美装性と耐久性を付与する必要があると考えられる。通常、不具合の発生は全体に見られることはあり得ないため、健全な部分に合わせながら処理していくことが肝要である。
 打放しコンクリート表面仕上げシステムは、過去29年におよぶフィールド(現場)における打放しコンクリートの修整実績と、打放しコンクリートを長期的にその美しさを確保するためにはどうすべきかを、継続的に考え開発されたものである。
 本システムは、素地の調整から最終工程の防水剤の塗布まで一貫して行うもので、素地調整(洗浄)は洗い専門職へ、不具合の処理は左官工へ、防水剤の塗布は塗装工へと分業化された、一般の現状の施工方法とは異なる。以下に、工程の順序に従って紹介させていただく。(図-1)
「打放しコンクリートと共に」 その24_e0030813_723728.jpg

(1)素地の調整(付着物の除去)
 汚れの原因を究明したうえで、それに適した除去方法を検討し、場合によっては除去剤(ケミカルエースR)
を使用する。この際、特に注意しなければならないことは、全体のバランスを考えることである。表面の付着した汚れ部分のみに目を奪われて、集中的にその部分を洗浄する場合があるが、洗浄部分と他の部分とは明らかに差がつくことがある。

(2)コンクリート表面の化学的強化処理
 表面の素地調整後、コンクリートの保護および耐久性の向上を図るために、珪フッ化物を主成分とするNY-506反応型無機質系浸透強化剤を含浸塗布する。本薬剤は、セメントの水和生成物である水酸化カルシウムと下式のように反応し、毛細管の空隙を充填することによって、表面硬度および耐酸性を向上させるとともに、中性化の進行を抑制するものである。
2Ca(OH)2+MgSiF6 → 2CaF2+MgF2+SiO2+2H2O

 次回は、引き続き「施工」1988年9月号 打放し仕上げの問題点と補修修整「4.打放し仕上げに対する一つの提案」(3)不具合の修整、最後に「まとめ」をご紹介します。

 さて、この年1988年9月、昭和天皇の病状が悪化し黄疸症状を示して吐血、容態が悪化した。すべての国事行為が皇太子(現在の天皇)に委任され、全国で見舞いの記帳が開始された他、お祭りが中止、縮小されるなど異常なまでの自粛ムードが続きました。

それでは次回をお楽しみに!
by pikayoshi72 | 2008-06-23 07:25 | ブログ


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