「打放しコンクリートと共に」 その22

今回は「施工」1988年9月号特集・仕上材としての打放しコンクリート「打放し仕上げの問題点と補修、修整」を4回に分けご紹介します。今回は「1.コンクリート打放し仕上げ」及び「2.打放し仕上げの問題点」A.耐久性低下の諸因をご紹介します。
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1.コンクリート打放し仕上げ
 A.コンクリート素材
 打放しコンクリートの表情は、一見荒々しく、しかも重量感にあふれ、四季・天候に応じて、人々の感性に直接訴えるかの様相がある。しかも、シンプルな原点を思わせる打放しコンクリートは、デザインとして80年余りの歴史をもつといわれている。
 その歴史の流れの中にあって、打放しコンクリートは、素材のもつ神秘的ともいえる幽玄な美しのために、多くの建築家の心を引きつけ、夢をたくしてとどまるところがない。
 その素材のもつ深さを引き出し、しかも長期にわたり、その姿を変えることなく歴史を刻み込むができる強靱さが、打放し仕上げには要求されている。

2.打放し仕上げの問題点
A.耐久性低下の諸因
 近年、コンクリート建造物の早期劣化が社会的に問題視されており、その主な原因は、コンクリートの中性化と内在鉄筋の腐食である。
 外的劣化要因の中でも劣化の基点と中性化は、コンクリートの構成材料の一つであるセメントの水和反応によって生じた水酸化カルシウム Ca(OH)2 が、大気中の二酸化炭素の作用を受け、炭酸カルシウムに変化する化学現象である。
Ca(OH)2+CO2 → CaCO3+H20
 コンクリート中に内在する鉄筋は、元来、水酸化カルシウムが示す強アルカリ性(pH12-5-13)によって防錆環境が確保されているが、中性化が鉄筋表面まで進行すると、防錆環境が消失するため発錆の危険が生じる。
 鉄筋の腐食反応が進行するには、水と酸素の存在が必要であることは知られている。このことは、筆者らが過去400件余りの打放しコンクリート建造物の修繕工事に先だって躯体の劣化調査において、室内側の中性化深さは雨水の当たる外部のそれに比べ大きいにもかかわらず、鉄筋の腐食が原因となったひびわれや、かぶりコンクリートの剥離剥落などは、ほとんど見られなかったことからも明らかである。
 さて、この中性化の進行を促進させる要因として、コンクリートの品質を上げることができる。とくに打放し仕上げの場合、巣穴や、その他欠損箇所を生じさせないために、施工性のよい流動性の高い生コンクリートが使用される傾向にあり、必然的に単位水量の多いコンクリートが打設される。
 このため、硬化後の内部には、多数の毛細管が形成され、結果的に大気中の炭酸ガスや雨水の浸入拡散を容易にする。その他、海砂・山砂などの低品質の骨材によるひびわれ、アルカリ骨材反応に起因したコンクリートの劣化は、よく知られているところである。

 次回は、同じく「施工」1988年9月号 打放し仕上げの問題点と補修、修整「2.打放し仕上げの問題点」B.美観について をご紹介します。

 さて、この年1988年(昭和63年)3月、青函トンネル使用が開始されました。 本州と北海道を結ぶ名実共に世界最長のトンネル使用が開始されたわけですが、開通に伴い青函連絡船は廃止されました。北海道へ渡る所要時間は3時間半ほどでしたが、あっという間に北海道へ行けるようになったわけです。今年で青函トンネル開業20周年を迎えます。月日のたつのは早いですね!

それでは次回をお楽しみに!
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by pikayoshi72 | 2008-06-09 07:26 | ブログ


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