神業と人間業の二つを標榜、期待と想定の狭間に揺れる打放しコンクリート。
無垢(ムク)の仕上がりが最終地点。 とは言え目前にした不具合は多種多様な欠陥症状を呈し、各々に適応した方法を考え乍ら進めなければなりません。 ところで修理を要する不具合にはどんな欠陥症状があるか、遅ればせ乍らご説明します。 いろいろありますが、代表的なものをピックアップしました。 1.豆板(ジャンカともいいます) コンクリート表面に砂利が露出して空洞が出来たもの。(下部写真) 2.気泡(ピンホールともいいます) コンクリート表面に空気が残存したために出来た小さな穴。 ピンホールでも大きなものは10㎜内外のものもあります。(下部写真) 3.表層剥離 一寸むずかしい名前の不具合ですね。 滑らかな表面が剥離して、ザラザラな表面となってしまったもの。 (下部写真) 4.コールドジョイント いよいよ佳境にせまって来ましたね。 専門用語ですから一般には知られていません。 一例で説明します、コンクリートの壁を想像して下さい。 その壁の中央を横断し、しかも大きな筋や段差がついている状態です。 中にはこのコールドジョイントを境にして上下のコンクリートの色が全く異なったもの、例えば上側が白色で下側が黒色となってしまったものもあります。(下部写真) 5.ピン角の欠け コンクリートの柱で説明します。 最近では柱の四隅を直角にすることが多い様です。 この直角な四隅の角の部分が欠けた状態をいいます。 6.錆汁 コンクリートには中に鉄筋が入っています。 この鉄筋がコンクリートを打設する前に、 雨に降られたりすると、錆びてしまいます。 その錆が降雨の時錆汁となって、下のコンクリートの 表面に流下していきます。 その時に表面に錆汁が染みこんで付着した状態をいいます。 この錆汁は洗っても取る事は出来ません。(下部写真) 打放しコンクリートの不具合の代表例は、ほぼこんなところかと思います。 念のため新築時に見られる修理を要する不具合であることをお忘れなく。 時、あたかも新幹線の開通(1964年)に引き続き、 東名高速道路の建設が最盛期を迎えていました。 高架の支柱や側壁の不具合に対処する為、参加させていただきました。 土木関係では新幹線の参加に続く快挙と喜んだものです。 新技術として少し認知されたかなあ?と思ったのもこの頃でした。 次回は打放しコンクリートの老化について。 お楽しみに!
by pikayoshi72
| 2005-09-05 07:52
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