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第四十八話 「打放しコンクリートの日本を代表する作品とその建築家」 大谷幸夫

 建築家大谷幸夫と言うべきか大学教授大谷幸夫か迷うところ。
1946年から1960年までの14年間、丹下健三研究室の門下生として在籍。
1949年大谷先生は丹下健三研究室の打放しコンクリートによる最初の本格的建築とされる広島平和記念資料館に参画。
その意味では戦後の日本での打放しコンクリート建築の草分けと言える。
1961年大谷先生は設計連合を設立、その後1967年大谷研究室となる。
大谷先生の独立後の作品には打放しコンクリートが多く採用され、その代表作品に1964年の東京都児童会館や1969年の金沢工業大学は打放しコンクリート作品として日本建築学会賞の受賞に輝く。
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 大谷先生は地域の自然と地域社会との調和の上に建築はあるべきとのお考え。
建築素材としての打放しコンクリートは何故か木立の深い自然環境の中で静かに佇み同化される。
こんなところが調和の原点か。
 ところで1964年は戦後最初の総選挙が行われ新憲法が制定された年。
広島平和記念資料館と時同じくして新生民主国家日本のスタート。
一方靖国参拝で物議をかもす戦犯奉祀、この戦犯を裁いた極東軍事裁判が開始された年でもありました。
 打放しコンクリートも時代の幕開けを告げる生き証人と言えますね。
世の中、常に明暗が交差しているものですね。
 次回をお楽しみに。
by pikayoshi72 | 2006-06-12 07:24 | ブログ


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