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「打放しコンクリートと共に」 その(120)

こんにちはpikayoshi72です。

皆さんお久しぶりです。
ブログを休刊したのが今年の4月19日ですから、丁度半年ぶりの再開となります。
本日紹介します内容は2010年7月号の建築仕上技術7月号です。本書を2回にわけお送りします。
今回はその第1回、「1.始めに」から「4.美観の維持保全対策」までをご紹介します。
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1.はじめに
 芦屋市民センターは1964年、建築家坂倉準三の設計による市民センター本館を始まりとして、1969年には日本で最初の本格的アダプタブルシアターとしてルナホール、1976年に市民センター別館がオープンした。その後、利用要望に合わせて種々の改修を経て、現在でも芦屋市民に愛され活用されている建築である。本館、別館の耐震補強を機にルナホールも含めた外壁の復元と保存を終え、2011年3月にリニューアルオープンした。
 本稿は、国内では数少ない初期の打放しコンクリート建築として、単に美観と機能回復に留まらず、外壁を構成する打放しコンクリートを竣工当初の形、色及びテクスチャーになるべく戻す再生と保存を目的とした仕様による再生工法を採用、そのリニューアルの流れを紹介する。
 日本におけるDOCOMOMO145選の作品である。

[工事概要]
 発注者:芦屋市
 設計・監理者:(株)坂倉建築研究所大阪事務所
 本館:RC造 4階 棟屋1階 延床2942㎡
    工期(2009年12月~2010年3月)改修外壁面積 1820㎡
 別館:RC造 4階 棟屋1階 延床3520㎡
    工期(2009年9月~2009年12月)改修外壁面積 2340㎡
 ルナホール:RC造 4階 地下1階 延床3888㎡
    工期(2010年1月~2010年3月) 改修外壁面積 2396㎡
打放し仕様:杉板(本実)、杉板(バラ板)一部コンパネ型枠

2.現状把握
 工事に先立ち現状を把握するため外壁の劣化状況を確認し、打放しコンクリート表層面に表れた劣化損傷レベルを軽度・中度・重度の3種に分類し、再生工法の劣化度に対応したシステムの選定資料に供した。
1)劣化度・軽度
 表層面に現れた劣化症状として、汚れの付着と防水機能の低下である。打放しコンクリート表層面は雨水によって濡れ色を呈し、微細なひび割れからはエフロレッセンスの流下と汚染を示す黒色の汚れの付着がある表層面を軽度とする。
2)劣化度・中度
 劣化状況の内、表層面の汚れ、ひび割れ、モルタル補修跡、木コン跡、浮き、欠損、エフロレッセンス及び摩耗が確認された表層面を中度とする
3)劣化度・重度
 劣化度・軽及び中度に加え、表層剥離によるコンクリート片の落下と雨水の浸透などによる漏水や鉄筋の錆化膨張による露出鉄筋が確認された表層面を重度とする。

3.劣化度対応再生工法の分類と概要
 劣化度の分類より表層面の再生方法を以下のように分類した。
 1)劣化度・CWシステム(軽度)
  表層面が汚染物の付着により美観が損なわれ、躯体を保護する防水機能の低下が認められるもので、表層面を高圧洗浄により汚染物を除去する。
2)劣化度・FMシステム(中度)
 表層面を生かしつつ劣化損傷に対して、限定消去法を導入、損耗した型枠模様を補正する。
3)劣化度・若返りシステム(重度)
 劣化損傷が重度と診断されたもので、打放しコンクリート表層面に生じた各種の損傷に対し根本より補修・修整を施し、竣工当初の型枠模様を復元蘇らせる。

劣化度に応じた再生工法は上記のように三種に分類施工し、各システム共防水機能を付与するために水性フッ素樹脂をコーティングする。

4.美観の維持保全対策
 再生工法によって復元した芦屋市民センターは、打放しコンクリート外壁の美観維持と保全管理を目的に光触媒を採用している。本光触媒は防水機能を保護するためのバリヤー材は必要なく新開発された光触媒(フッ化アパタイトを被覆した二酸化チタン)である。
 フッ素樹脂防水材との付着性は良好で打放しコンクリートの質感、意匠性を損なうことのないセルフクリーニング機能を具備したものである。

 次回は、月刊建築仕上技術2010年7月号、「由緒ある打放し建築の再生と保存について」の最終回、「5.光触媒の機能」から「6.おわりに」をご紹介します。

改正臓器移植法が2010年7月に施行。年齢制限が撤廃され、家族の承諾があれば臓器提供が可能になりました。

それでは次回をお楽しみに!

打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2010-10-25 09:24 | ブログ


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