「ほっ」と。キャンペーン

「打放しコンクリートと共に」 その(108)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、コンクリートテクノ 臨時増刊号 美しいコンクリート2006年9月号「4-②建築物としてコンクリートを創る技術」の第4回、「(3)表層面の色合わせおよび型枠模様の造成」から「3.4まとめ」までをご紹介します。

(1)表層面の色合わせおよび型枠模様の造成
1)表層面の色合わせ
 散在する不具合や充填したモルタル表層面に対して、健全なコンクリート表面の色調に合わせて違和感のない補修を施さねばならない。同時に表層面の密実性や吸水性も同じレベルにする必要がある。これは後に防水材を施すことにより生じるヌレ色や変色を抑制・防止するうえでも重要である。つまり、単にセメントペーストやモルタルなどを用いた不適切な表層面補修では、表層面が粗悪で醜いものとなり、コンクリートの持つ素材感・重厚感・耐久性を喪失してしまうことが考えられる。したがって、色調を考慮したうえでの適切な補修方法の開発が不可欠である。こうしたことからコンクリート表層面の種々の色調に対応する色合わせ用の材料開発を意図として、白色セメントと普通セメントの混合を変化させた充填材混入のポリマーセメントペーストについて実験した。ポリマーセメントペーストの各種材料の混合割合を表-8に示す。
表-8にもとづき板材に塗布硬化させたポリマーセメントペースト表層面の明度測定結果を図-18に示す。
e0030813_714965.jpg

 白色セメントと普通セメントの混合割合を変えることにより任意の明度のものが得られる。すなわち、こうした材料を供することにより健全な表層面の色調に合わせた補修が容易に可能となる。

2)型枠(斑)模様の造成
 型枠(斑)模様を造成するうえでの形成具を開発する必要がある。そこで発砲ウレタン製のベースの片面に形成材を取り付けた形成具を考案した(図-19)。
e0030813_7143699.jpg

 そのうえで斑模様を形成するアクリル樹脂系ポリマーディスパージョンと調合顔料による斑模様形成材料を含浸形成させる形成材を選定した。形成材は、①各種ジュータン②厚手のタオル③ガーゼ④木綿布⑤スポンジ⑥タワシ⑦刷毛(プラスチィク・動物性等)⑧フェルトである。
 その結果①~⑦については、いずれも打放しコンクリート表層面の斑模様は形成されず、⑧のフェルトが斑模様を形成するのに適当なものであった。このことから脱型後、確認された不具合箇所に対して、健全部に形成された斑模様の色調を日本塗料色別ノートに準じて選定・作成し、形成具に含浸反復押圧(タタキ塗り)し斑模様を形成する。その結果、不具合箇所補修跡には健全部と一体化した模様が形成され、完全に不具合は同化され傷跡も認められないものとなった。その状況を写真-8に示す。
e0030813_7152534.jpg

(2)トップコート
 充填モルタル、色合わせ材、型枠(斑)模様を長期にわたり安定保持する必要が考えられる。すなわち、表面保護が不可欠である。特に濡れ・むら、変色、汚れの抑制・防止が重要である。こうした防水処理の観点から、トップコートとして超耐候性アクリルシリコン樹脂を供することとした。これを表層面に塗布した暴露3年後の中性化深さ(屋内暴露)および汚染指標となる明度と色差(屋内北側防露)を測定した結果を表-9に示す。
e0030813_7155963.jpg

 防水処理によって、中性化の進行は阻止されていることがわかる。また、表層面の汚れも防止されている。
e0030813_7162632.jpg

さらに表層面の汚れについては図-20に示されているように、面内の明度のバラツキは小さく、全面にわたって汚れが防止されている。また、濡れ・むらも認められず、きわめて安定したもので、防水性能の向上と超耐候性が付与された結果であると推測される。

3.3補修・再生工法の開発
 前項において補修再生に供する材料を抽出した。ここではその結果を総合して、打放しコンクリート表層面の補修・再生工法を検討した。基本構想は以下のようである。
 欠損部に対しては充填モルタルで処理し、違和感のない補修による表層面の整合性を確保する。酸性雨、炭酸ガス、紫外線、有害物質等々の打放しコンクリート表層面の劣化外力に対して、表層面を複層に配した材料で耐久性の向上を図るとともに、打放しコンクリートの意匠性をよみがえらせることにある。
 こうした複合仕上げの考え方を検討し具現化した結果を図-21に示す。
e0030813_7165250.jpg

なお、図中、鉄筋露出部の補修およびひび割れ部の補修については、一般的に行われている補修工法と大きく変わるものではない。

3・4まとめ
 前項において明らかにした打放しコンクリート建物の不具合に対して、それに見合った補修・再生材料の開発および工法について検討して結果、①珪フッ化物を主成分とする無機質系浸透剤により、欠損部および脆弱層を補修後、躯体コンクリート表層面の強化が図られる②アクリル樹脂系ポリマーディスパージョン使用の充填モルタルは付着性にすぐれ、かつ耐久性向上効果が認められる③表層面の色合わせには白色セメント普通セメント混合のポリマーセメントペーストが適切である。④型枠模様の造成にはフェルトによる形成材が有効である⑤表面保護材としての超耐候性アクリル樹脂系のトップコートが防水性能を向上させる、ことを確認できた。
 そして、これら材料を総合した複合仕上げを基盤とする補修・再生工法を確立し実用化した。

 次回は、コンクリートテクノ 臨時増刊号 美しいコンクリート2006年9月号「4-②建築物としてコンクリートを創る技術」の第5回「4.ライフサイクルを基とした仕上げシステム」をお送りします。
お楽しみに!

 さて、この年の重大ニュース、9月30日YS-11が国内の定期路線から現役引退しました。私の記憶では、YS-11は世界初のターボフロップエンジンを搭載した、純国産旅客機だったと記憶しています。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
[PR]
by pikayoshi72 | 2010-02-01 07:20 | ブログ


<< 「打放しコンクリートと共に」 ... 号外ブログ/犬のおしっこでお困... >>