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「打放しコンクリートと共に」 その(102)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、月刊建築仕上技術2006年7月号、特集:外壁汚れ防止・除去技術の最新動向「打放しコンクリート・光触媒仕上げシステムについて」を読み切りでお送りします。

1.はじめに
 深刻化する環境問題は打放しコンクリートの美観の維持と劣化防止に課題を提起している。
 築後間もなく発生する汚れの付着は、表層面の仕上げが意匠である打放しコンクリートの意匠性を阻害し美観の喪失を招き、同時に劣化損傷へと繋がる。特に都市部での打放しコンクリート外周壁の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着したものが多く、その汚れは加速度的に拡大することにある。
 このような事象に対応した新技術・工法として、打放しコンクリート仕上げシステムをベースとして新開発された汚染対応型新光触媒(フッ化アパタイト被覆二酸化チタン光触媒)の特長、施工例などを交えて「打放しコンクリート光触媒仕上げシステム」を紹介する。

2.打放しコンクリートの現状と汚染対策
 打放しコンクリートの経年変化を知り得る人は限られているため維持保全の扱いに困惑しているのが現状である。打放しコンクリート建築に継続して携わる設計者、施工者は極めて少なく施主にあっては最初で最後といったところである。

3.打放しコンクリート光触媒仕上げシステムとは
 光触媒には、打放しコンクリートに不可欠な防水機能はなく、表層面の強固な防水処理が必要である。
 従来から防水材として採用されている高耐久性フッ素樹脂やその他有機質防水材に光触媒を直接塗工した場合、紫外線エネルギーにより励起した酸化チタンはその強い酸化力でフッ素樹脂などの有機質防水材を分解し、防水機能を喪失させるため、保護するバリア材のコーティングを必要とした。新開発の光触媒仕上げシステムはフッ化アパタイトを被覆した二酸化チタンでバリア材は不要である。しかも下地の仕上げシステムとの付着は良好で打放しコンクリート仕上げの質感を保持しつつ防水性及び光触媒のセルフクリーニング機能を具備した打放しコンクリート光触媒仕上げシステムである。その基本原理とセルフクリーニング機能を図1に、また、同システムのフローチャートを図2に示す。
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(1)打放しコンクリートに於ける光触媒の機能と応用
 光触媒の塗布面に紫外線が当たると光触媒反応が起き酸化力により塗布面に接触する有機物を分解する。例えば有機物としてカビ、細菌、藻、ウイルス、油脂、車の排気ガス、タバコの煙とヤニ、VOC、悪臭(アンモニア)などである。
 光触媒反応は酸化チタンを消費しないので反応による酸化力は減退しない。したがって、反応は半永久的に継続し酸化力による浄化機能も持続することになる。
 光触媒のコーティングの膜厚はせいぜい1μm程度であり、塗膜に接触しているカーボン、油煙、細菌類真菌類などは光触媒による分解であるため、薄膜であってもその機能を十分に発揮することができる。
 一般的に都市部での建築外壁面の汚れは、油脂分とともにカーボンなどが付着した汚れが多く、光触媒によりこの油脂分が分解されて汚れの成分の付着力が弱められ、雨により洗い流される。
(2)光触媒の性状
 打放しコンクリート表層面に施した光触媒とフッ素樹脂の親水性の比較を写真1に示す。光触媒は表層面に馴染んでいるが、フッ素樹脂は水玉となっている。
 光触媒表面に太陽光が照射されることによって、表面に水酸基が発生し親水性となる。水の接触角は10~30°と極端に小さくなり、水玉にならない(図3)。
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 この水が光触媒の作用で分解された汚染物の間に流れ込み、セルフクリーニング機能が生じ付着した汚染物が流れ落ちる。この光触媒反応は酸化チタンを消費しないため、反応によって酸化力は減退しない。すなわち、半永久的に酸化力による浄化機能は維持される。
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4.おわりに
 都市部の環境悪化に伴う汚れの付着は必然的な事象として忍受されてきた。特に打放しコンクリートの著しい汚れは美観の喪失に留まらず建築物としての資産価値を低下させる。そのため定期的なクリーニングが施されそのコスト負担は大きなものであった。
 本システムを構成する新光触媒によって付着汚染物の分解作用と親水性によるセルフクリーニング機能によって打放しコンクリート建築に課せられた難題を解消し美観、資産価値の維持だけに留まらず良好な周辺環境の向上にも寄与するシステム工法である。
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 次回は、月刊リフォーム2006年8月号、特集:シックハウス対策とリニューアル工事の環境対策、「打放しコンクリート若返りシステム(静岡県庁西館)」お送りします。

 さて、この年の重大ニュース、1月20日、 2005年12月に輸入を再開した米国産牛肉にBSE危険部位の脊柱が混入していたことが判明し、全ての米国産牛肉の輸入手続きを再停止しました。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-12-21 07:17 | ブログ


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