「打放しコンクリートと共に」 その(99)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」を2回に分けご紹介します。
本日は第1回、「1.はじめに」から「3.NY-ヒートカットの機能と効果」をお送りします。
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1.はじめに
 物の本質を表現する現代建築作法の一つに打放しコンクリートがある。特に素材の持つ質感の美しさと形成される空間は自然環境を演出し癒しを醸し出し魅了する。
 この様な背景から美術館、教会、学舎など比較的大型な建築に多く採用されてきた。多くの人々の心を引き付ける打放しコンクリート建築は、最近ではその範囲を広げ住宅、店舗など小規模建築にまで及んでいる。打放しコンクリート建築は、一方に於いて高度な施工技術を要し、しかもやり直しのきかないところにその難しさがある。
 特に小規模な打放しコンクリートは、難易度が高く不具合が避けられない。この様なことからニーズがあり乍ら対応に苦慮しているのが現状である。この様な実態に鑑み打放しコンクリートの意匠性を具現化しつつ、しかも工期短縮とコスト低減に対応誕生したものがノンクリート打放しボードである。本ボードは内外装二種で構成させている。本稿は新技術を導入、環境問題で懸案とされているヒートアイランド現象と深刻化する大気汚染による汚れの付着に対応したノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプについて紹介する。
 打放しコンクリートは部材表面が仕上げとなるため、新築時に於いてのふぐあいは健全な表面に合わせて修復しなければならない。しかもその表面は直接自然環境に曝され劣化損傷の起因となっている。建物を取り巻く厳しい環境は改善の兆しはなく早期劣化が指摘され、その解決が急務となっている。
遡ること40年余り、打放しコンクリートの不具合の修復技術と、その後の経年劣化現象に対応した再生技術による多くの施工実績をフィードバック、表面に発生した各種の不具合に対応した修正及び再生後術の採用によって維持保全が長期間にわたるものとした。
 打放しコンクリートとは、英語で“Exposed Concrete”で部材表面にコンクリートが現れていればよいと定義されている。これを基として蓄積された仕上げ技術をボードに投入、表面が打放しコンクリート仕上げであること、基材にコンクリートでなく窯業系ボードであること、その表面をコンクリート色調の断熱塗材を施し打放しコンクリート調で仕上げすることにより意匠性と耐久性を確保、トップコートにセルフクリーニング機能を付与し製作されたものがノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプである(写真1)。
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2.ノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプの工程と意匠性
 打放しコンクリートの意匠性の具現化が本ボードのポイントである。すなわち表面をコンクリート色に調合した断熱塗材NY-ヒートカットを基材表面に塗布、次に意匠性を表現する型枠模様の造成後、劣化進行を阻止するフッ素樹脂を塗布する。これにより外断熱性を有した打放しコンクリートのイメージと表面の耐久性が付与される(図1)。
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3.NY-ヒートカットの機能と効果
 NY-ヒートカットの断熱効果のメカニズムは、特殊熱反射顔料と特殊セラミックが作用し、熱作用の高い近赤外線を効率よく反射・散乱し太陽熱の吸収を防ぎ高い断熱性を実現する(図2)。
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 在来の内断熱工法は断熱材側の躯体温度が外気と同じになり、躯体内が高湿度による結露状態になりやすく、湿度90%以上でカビを発生させ、カビを餌とするダニの繁殖にもつながる。この躯体内高湿化と結露発生を防止するには、外断熱工法が効果的である。断熱ボードは一般のボードと比較して熱伝導率が低く保温材としても機能するため、効率のよい断熱効果を生み出す。
 汎用ボードとノンクリート打放しボード・外装用断熱タイプの表面に室内ランプを照射し裏面温度を測定した結果をグラフに示す(図3)。
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 次回は、「打放しコンクリートと共に」 その(100)、建築仕上技術2005年8月号 特集:環境最重視の時代を担う湿式建材、「打放しコンクリート意匠ボードに塗材で断熱性・低汚染性を付与」、最終回「4.セルフクリーニング機能と性状」から「5.おわりに」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、11月17日、国土交通省の発表により姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造が21件あることが発覚しました。うちマンション・ホテル12棟については震度5以上で倒壊の危険性が有ることが判明。以後、マスコミで大きく取り上げられ社会問題になりました。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-11-30 07:20 | ブログ


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