「打放しコンクリートと共に」 その(94)

 こんにちはpikayoshi72です。

 今回は、防水ジャーナル2004年10月号特集:きれいな外壁仕上げの方法、工事事例報告と題して、
(RC造・事務所の場合)「打放しコンクリート外壁における光触媒仕上げ」を読み切りでご紹介します。
e0030813_719939.jpg

◆工事概要
工事名称:社団法人四国建設弘済会高知支所施設新築工事
所在地:高知県高知市南新田町2番30号
用途:事務所
施主:社団法人 四国建設弘済会
設計者名:プランツアソシエイツ
工期:平成15年2月
敷地面積:約1,200㎡
施工面積:約500㎡
構造:鉄筋コンクリート造
施工:ニチエー吉田株式会社

◆工事詳細
 工程:漆喰壁の上に、①NY-Aシーラー②NY-7090③NY-8090トップコート④NY-バリアコート⑤NY-光触媒仕上げ
施工仕様および工法:打放しコンクリートSEFシステム(特許:吉田工法)+光触媒仕上げシステム(特許:吉田工法)
使用材料:ニチエー吉田製品

◆材料および工法・仕様選択の経過
 本物件は四国に建設された事務所の外壁に光触媒仕上げを施した物件である。
ここで当社の光触媒仕上げシステムについての概略を説明する。一般的に光触媒とは光が照射されることにより、それ自身は変化をしないが化学反応を促進する物質のことをいう。広く一般的に建築材料等で言われている光触媒とは、酸化チタンを主原料としたものであり、有機物を分解することができる。有機物の分解はさまざまな効果を発生させる。脱臭、抗菌、防汚、浄水、大気浄化など、排気ガス(NOx、SOx)をはじめ、シックハウス症候群の要因といわれるホルムアルデヒドや、タバコのにおいの成分であるアセトアルデヒド、その他アンモニア臭など、身の周りのさまざまな空気の汚れを除去することができる。
 しかし、光触媒自体には防水機能はなく、現在主流とされ最も多く採用されているフッ素樹脂やその他の有機質防水材に光触媒を塗布した場合、有機質防水材である塗膜を分解し、防水機能を喪失させてしまうことがある。
 このようなことから光触媒仕上げによる外壁に塗膜型の防水性とセルフクリーニング機能の両立は不可能であった。
 そこで、当社の光触媒仕上げシステム(図1参照)は、光触媒と塗膜型防水材との間にバリアコート(過酸化チタンを主成分とする材料)を介在塗布することで問題点を解決した。打放しコンクリートに防水性、セルフクリーニング性にプラス超耐久性付与を可能としたもので、全く異なる発想から生まれた高次元新技術である。
e0030813_7194953.jpg

◆工事の特殊性
 打放しコンクリートに於いては、光触媒仕上げ自体がまだ特殊な工事であるといえる。当社においても、施工事例が少なく、経年劣化による性能変化などフィールドに於ける問題点が課題としてある。光触媒塗布工事は従来の塗装の概念を全く変えるもので、テスト施工や塗布方法の選定等、多くの実験を繰り返し、実用化することができた。(図2参照)
e0030813_7201161.jpg

◆まとめ
 長年の課題であった打放しコンクリート外壁の高耐久性付与は、今日ではほぼ解消されたといえる。しかし、深刻化する都市部の環境悪化に伴う汚れの付着は必然的な事象として、避けて通ることのできないものとされていた。特に打放しコンクリート表層面の著しい汚れは資産価値を減少させるため、美観と資産価値を維持させるために定期的なクリーニングが必要でそのコスト負担は大きなものであった。
 本システムを構成する光触媒によって、汚染物の分解作用と親水性によるセルフクリーニング機能は建築に対してその果たす役割は計り知れないものがある。今日まで外壁の宿命とした汚染物の付着が、光触媒の実用化によって美観の維持だけでなく建築の資産価値と周辺環境の向上に寄与する点からも画期的な新技術といえよう。
e0030813_7204538.jpg

                   写真1 光触媒仕上げシステム施工物件
 次回は、FINEX2005年1、2月号我が社の新材料・新工法「ノンクリート打放しボード・外断熱タイプ」をお送りします。

 さて、この年の重大ニュース、3月13日、 九州新幹線の新八代駅-鹿児島中央駅間が開業しました。また、日本が小さくなりました!

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
[PR]
by pikayoshi72 | 2009-10-26 07:24 | ブログ


<< 「打放しコンクリートと共に」 ... 「打放しコンクリートと共に」 ... >>