「打放しコンクリートと共に」 その(88)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向を4回に分けご紹介します。本日は第2回「3.新築対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-1」をご紹介します。

3.新築対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-1
3-1 脱型と保護養生
 打放しコンクリート表層面の保護対策は、脱型と同時に対応することが好ましい。竣工に至るまでの間、打放しコンクリートは多種多様な関連作業による表層面の汚損が避けられない。その外、脱型時に生じる不具合は、打設技術によるもの以外に不注意な作業者によって生じたものも少なくない。脱型時のバールのかけ方の配慮不足による、角欠けや表層面の摩擦傷等があり、寸法出しのための墨打ちなどは除去が困難で、打放しコンクリート現場では安易に扱われる作業の一つである。
 一般的には、工事期間中の表層面保護に、ビニールシート等による養生が行われているが、表層面を緻密に覆う事が難しいだけでなく、自然環境下でのコンクリートの養生固化を阻害し、しかも風雨に煽られ現場作業者の災害に繋がることが懸念される。
 上層階のコンクリート打設に伴うセメントノロ、型枠のアクや鉄筋の錆汁は表層面を流下付着する。工事竣工まで放置することにより内部に浸透付着し、より強固となり、洗浄しても除去できないため表層面を汚損し意匠性を著しく低下させる。
 脱型から竣工に至る間の打放しコンクリート表層面の養生方法に次のようなものがある。
 型枠脱型後、直ちに表層面にガードシーラーを塗布する。本材は防汚性を有し、上層階のコンクリート打設時に生ずる諸々の汚染物に対する付着防止作用とコンクリートの乾燥養生に不可欠な毛管空隙を塞ぐことなく保護し気体の透過性を確保することを目的としたものである。
 防汚材・ガードシーラーは打放しコンクリート表層面の素材感を失うことがなく、従来のシート養生方法と比較して簡易で作業上の安全性とコストに効果的である。

3-2 建設現場の現状
 多くの施工現場では、不具合箇所の発生は予測していないため、その対応策も施工計画の中に含まれていないところが多い。
 現実には不具合のない打放しコンクリートは稀で、様々な不具合が生じ対策に苦慮している。しかも発生した不具合箇所の対処方法によっては、最終の仕上材の塗布によって前工程の処置材料の変色・斑模様などによって、表層面の意匠性を著しく阻害し施工不良に繋がる。
 特に注意を要する仕上材の一つにフッ素樹脂仕上材がある。高耐久性の付与を目的として塗布されるが、打放しコンクリート表層面の不具合箇所の補修材が、塗布することによる変色・ムラ・濡れ等の意匠性を阻害することが多い。そのため塗材に着色顔料を添加して補修跡変色を抑制する方法が行われているが、打放しコンクリートの素材の持つ質感を低下させることがある。

3-3 補修と仕上げの分類
 現状では打放しコンクリートに生じた不具合箇所に関する施工分野の位置づけがなく、下地補修と仕上げの仕切が不明確である。仕上げ分野は表層面の意匠性を復元するための不具合箇所の修整・消去と、それを保護、高耐久性を付与する仕上材の塗工で、不具合箇所のポリマーセメントモルタルによる下地補修は前段階の左官工事の分野とされる。

3-4 不具合ヶ所の調査
 ガードシーラーによる養生後、表層面の不具合箇所の調査が不可欠である。ひび割れ・ジャンカ・コールドジョイント・色ムラは当然として、養生前に付着したセメント・セメントノロ、エフロレッセンスや錆汁など頑固な汚れも不具合ヶ所に準ずる。

3-5 不具合ヶ所の下地形成
 ジャンカ・コールドジョイントや角欠け等、欠損ヶ所の形状・大きさ等状況により下地形成に適応した補修材の調合をする。
 下地補修モルタルは付着・引張強度(0.98N/㎜2以上)が満たされるポリマーセメントモルタルであればよい。成形補修は左官工により仕上げ面より2~3㎜下げて成形する。

3-6 養生
 ポリマーセメントモルタルによる下地補修後、乾燥養生する。養生不足のまま次の修整消去は、補修材のひび割れや変色等の不具合を引き起こす。

3-7 表面洗浄
 表層面に付着した汚染物の洗浄除去とし、洗浄によって除去出来ない浸透した汚染物は、表層面に対応した消去技術により行う。

3-8 不具合箇所修整消去技術
 不具合箇所補修成形後、表層面に散在する不具合箇所の修整・消去工程は次の通りである。
 あらかじめ工場生産された6種類の既調合の修整・消去材と、同一修整消去材で塗工された6種類の選定プレートを不具合ヶ所周辺健全部に合わせ修整消去材を選定する。
 従来、職人の熟練度と勘によって、その都度不具合箇所に合わせた修整消去材の調合を施工現場にて行っていたが、本選定プレート方式により合理的な精度の高い修整消去材の選定施工を具現した。
 選定された修整消去材を下地成形補修材の乾燥養生を確認の上、表層面に合わせ塗工する。

3-9 修整消去材の仕様と性能
1.不具合箇所周辺の表層面と一体化した色調であること。
2.変色・ひび割れや乾燥収縮がない。
3.不具合箇所の痕跡を修整消去し意匠性の復元が容易であること。
4.仕上げ塗材による濡れ・ムラ・変色等修整消去材に変化や影響を与えないこと。
5.経年劣化が躯体コンクリート同等、ないしはそれ以上の性能であること。

3-10 修整消去ヶ所の型枠模様造成
 修整消去後、喪失した型枠模様をカラーコート及び特殊工具により造成する。

3-11 特殊浸透性吸水防止材の塗布
 打放しコンクリートのピンホール及び毛管空隙の防水下地として特殊浸透吸水防止材Aシーラーを含浸塗布する(150g/㎡)。

3-12 塗膜型防水材の塗布
 A・Bタイプ共、特殊浸透性吸水防止材Aシーラーを塗布乾燥養生後、塗膜型防水材 NY-7090を2回塗布する(図2)。
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3-13 高耐久性防水材、Aタイプ・Bタイプ
 NY-7090塗布乾燥養生後、フッ素又はアクリルシリコン樹脂系防水材を塗布する。塗布することで濡れ色・ムラや変色等、不具合消去箇所を際立たせ表層面の意匠性を損なうことなく一体化し意匠性と高耐久性を付与する。

 次回は月間建築仕上技術2003年7月号特集:打放しコンクリートの仕上工法最新動向の第3回「4.経年劣化対応 打放しコンクリート仕上げシステム・STEP-2」、「5.打放しコンクリート若返りシステムの工程」をお送りします。

 さてこの年の重大ニュースは、イラク復興支援特別措置法を前提に非戦闘地域を特定できないまま、世論の反対が多い中で、対米関係を重視する小泉首相の判断で12月9日、自衛隊のイラク派遣が決定。26日に航空自衛隊の先遣隊が出発しました。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-09-14 07:23 | ブログ


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