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「打放しコンクリートと共に」 その(80)

こんにちはpikayoshi72です。

今回は月刊建築仕上技術2000年7月号工文社創立25周年・創立300号記念企画「新・リニューアル市場の創出」、「3.外壁リニューアルのための技術開発動向」の後編「8.築後の経緯と改修の実例」から
「12.改修後の維持保全状況」をご紹介します。

築後の経緯と改修の実例
 既に改修工事内容及び手順等の改修事例は小社にて数多く発表されているので省略し、改修後10年余り経過した静岡県庁東館にスポットをあててみた。静岡県庁東館は1970年5月完成、中部建築賞を受賞した著名な建築物である。㈱日建設計による設計で打放しコンクリート仕上げで高層建築の地下1階地上18階である。築後19年経過した1989年、外装材は劣化し、特に打放し表層面の防水塗膜の性能低下、ひび割れ、不具合箇所の補修モルタルの浮きなどが発生、また高層のため適時適切な処理が出来ず構造体に悪影響を及ぼす恐れが出てきたため改修を実施したものである。なお、打放しコンクリート以外の外装工事については割愛した。参考までに改修前の打放しコンクリートの劣化症状を各々の調査結果に基づいて記した。(写真1,2)
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建築概要
構造    鉄筋コンクリート造 地下1階地上18階
外壁    柱・梁型打放しコンクリート仕上げ
面積    12,100㎡  高さ64.55㎡
建築面積  3,684.4㎡
改修年月日 1989年7月~1990年3月
改修工法  打放しコンクリート若返り工法(特許・吉田工法)


劣化部調査
 調査に先立ち足場を18階まで全面にかけ、落下防止のため水平防護棚を垂直に設置し防護シートを設けた。
調査項目は、a)ひび割れ
      b)露出鉄筋
      c)コールドジョイント
      d)木コン跡
      e)コンクリート欠損箇所
      f)中性化深さ測定
      g)コンクリート圧縮強度
      h)かぶりコンクリート厚さ測定
      i)在来塗膜付着力試験
 上記調査結果を外壁調査報告書にまとめた。調査結果に基づく項目に従い、全項目集計表を作成した。次に集計表より、欠損部のマーキング図を作成、各階各面を図面上に明記した。
 調査結果を表で示す。調査方法は割愛した。
中性化深さ測定試験
躯体コンクリート圧縮強度試験
鉄筋のかぶりコンクリート厚さ測定結果
付着力試験結果(既存塗膜の表面処理後の付着力試験)
不具合箇所全項目集計表
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以上の調査結果に基づいて改修工法の選定をした。

11.改修工法の選定基準
1.打放しコンクリート仕上げに付着した各種の汚損物質を表層面を害することなく洗浄または除去できる。
2.補修用モルタルは耐久性があり、鉄筋やコンクリートと付着良好で、一体化し環境作用による材料に有害な変形がない。
3.仕上クリアは塩分・水分やガスなど腐食要因を遮断、超耐候性防水性能を有している。
4.長期のフリーメンテナンスが維持できる。
5.意匠性の復元と超耐久性の付与が可能である。
 以上の条件をクリア出来ることが選定基準として示された。
本工事に供した打放しコンクリート仕上げの改修技術の特長は下次の通り
DD-エラスティック工法(バイパスクラック再発防止工法)
NY-調合樹脂モルタル・NY-エラスティックフィラーの採用
型枠模様復元造成
超耐候性防水材(NY-9090アクリルシリコン樹脂系)

12.改修後の維持保全状況
 改修後10年余り経過した2000年5月、目視調査をした。表層面の防水塗膜、クラック補修ヶ所のバイパスクラックの発生、汚れの付着や補修モルタルとの変形、剥離、変色など劣化損傷を示す現象は皆無であった。特にNY-エラスティックフィラーは躯体の伸縮挙動に追従する性能を有し、NY-9090アクリルシリコン樹脂系の超耐候性を支え、工法、材料の適格性が示され、健全な打放しコンクリート仕上げの表層面を維持している。(写真-3)
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コメント
静岡県総務部庁舎整備室長 柳原利康氏談
 改修後10年余りになるが、維持保全には多大な関心をもって接しているが現在のところ打放しコンクリート仕上げに関してはフリーメンテナンスで来たが全く問題は生じていない。防水塗膜も健全で汚れの付着も認められず良好な状況である。
参考文献
地濃茂雄・吉田晃「打放しコンクリート表層面の維持保全に関する提案」
コンクリート工学年次論文報告集 Vol.19.No.1.1997
建築保全No.72吉田晃外装の補修・改修例
静岡県庁東館外壁改修工事
打放しコンクリート若返りシステム(特許・吉田工法)

次回は同じく月刊建築仕上技術2001年7月号特集:打放しコンクリートの美観向上と保護、「打放しコンクリートの美観向上最新技術」を紹介します。

さてこの年の重大ニュースは、1月28日、1990年11月から新潟県三条市内で行方不明になっていた19歳の少女が9年ぶり発見され、新潟県警に保護された。無職男性(37)宅で暮らし、外に出られなかったという。折しも新潟県警本部長はこの夜、特別監査に来ていた関東管区警察局長らと温泉ホテルで宴席を持ち、麻雀に興じていたことが明らかになり26日、国家公安委員会と警察庁は本部長を減給の懲戒処分にし、3月2日、警察庁長官を減給の懲戒処分としました。何ともはや情けない事ですね!

それでは次回をお楽しみに!

打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-07-20 08:14 | ブログ


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