「打放しコンクリートと共に」 その(70)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は建築技術1995年10月号、特集「コンクリート工事/困ったときのノウハウ集」、「不具合が発生したときの対処、打放し仕上げの補修」を3回に分けご紹介します。
今回は第2回「補修のタイミング」から「不具合箇所の取組み」までをご紹介します。

補修のタイミング
 打放しの不具合箇所補修前の流れと概要は、以上のとおりである。次に補修のタイミングについて述べる。
 脱型直後のコンクリートは、まだ湿潤状態で生地肌は濡れ色を呈している。しかし、打放しの位置する方位、部位によって次第に乾燥状態が異なってくるため、補修の着工箇所は注意する必要がある。
 一般的には、コンクリートの含水率8%以下を確認のうえ補修に入るのがベターである。生乾きの状態でありながら工期が迫っているため急ぎ補修をすることによって、補修材の色違いが後日表面化して違和感の著しい結果を招くことになる。このようなことから不具合箇所の補修は、コンクリートの十分な乾燥養生を待って着工することである。

補修材の性能
 打放し補修に求められる補修材の必須条件として、次のことが挙げられる。
1)躯体コンクリートに近い強度や発現があり、緻密性があること。
2)コンクリートの生地肌に整合する調合樹脂モルタルであること。
3)経時変化が少なく、変色がないこと。
4)乾燥収縮がなく、10kgf/㎠以上であること。
5)中性化を抑制する性能を有していること。
6)塩害の侵入・浸透を阻止する性能を有していること。
 主なものとして6項目を示したが、根本的な問題として補修材の調合にあたり不具合箇所周囲のコンクリートの色調が一定でなく、多様な色模様を呈しているため、どの部分に合わせて調合するか整合性を考慮して、補修材の調合をすることが肝要である(図1・2・3)。
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補 修
表層乾燥
 不具合箇所の補修材の色調合の基本であるコンクリートの乾燥養生は、脱型後2週間(夏期)程度、含水率で8%以下としたい。表層面の乾燥レベルの位置付けが、後々の補修に大きな影響を与えることになるので注意しなければならない。
汚染物の除去
 汚染物の除去は生地肌の乾燥とは関係なく、なるべく早期に手をかける方がよい。汚染物が付着してからの経過期間が長いほど、浸透固着する傾向があるため可能な限り早期に洗浄除去することである。洗浄レベルは、コンクリート付着物の一切を除去し表層面は生地肌とする。
作業手順の再確認
 洗浄後、今まで確認されていなかった諸々の不具合箇所が顕在化し、洗浄前の目視調査結果と異なるケースがあるので、再度確認する必要がある。次に不具合箇所の種類、例えばジャンカやコールドジョイントは下地処理を含め補修方法が異なり、その形状・大きさによっては斫りや防水処理を必要とする場合が出るので、補修方法・作業手順を最初に戻して再構築しなければならない(写⑥,⑦)。
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補修内容の確認
 設計者・現場監督者および仕上げ(補修)業者(個人住宅の場合は施主の参加)による、打放し仕上げの細部に至る打合せが不可欠である。不具合箇所は補修することにより消去され、健全部と一体化されるため、補修前は小さなものとして見逃していた不具合箇所が表面化し、思い付きの追加工事となりがちである。
ここで注意しなければならないものは、小さな補修といえども再びコンクリートの色調合から作業を始めなければならず、補修手間より調合手間の方がはるかに時間を要することである。
このようなことを防ぐために打合せ結果を明確にし、着手前に補修するべき箇所をマーキングしておくことがよい。
例えばピンホールは何㎜以上は充填し、その他はそのままとするなど細部の打合せが大切である。工事進行途中の追加補修は一切しないなど最初に約束されていることであっても、実際に仕上がってくると欲が出てスタート時の計画通りに進行されない場合が少なからずある(写⑧)。
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不具合箇所
 補修を要する不具合には、豆板・コールドジョイント・砂すじやピンホールなど多種多様なものがある。コンクリート生地肌の欠損だけでなく、汚れを軽視してはならない。その付着状況によっては単に洗浄で除去できるとは限らず、補修技術をもって対応しなければならないケースが少なくない。
不具合箇所の発生原因とその形状によって、補修方法が異なってくる。次に不具合の種類と発生原因を、大まかであるが整理してみた(写⑨,表1)。
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不具合箇所の取組み
 大きく分けて補修を要する不具合箇所が僅少で、一定部分だけに限られている場合と全面に不具合箇所が発生し補修が全面にわたる重症の場合がある。
前者の場合は問題は少ないが、後者の場合は全面に補修を加えることになるため、打放し表層面の生地肌がかなりの部分隠蔽されてしまうことになりかねず、最終的に仕上げた状態がどのようになるか事前にサンプル施工などで確認し、補修にとりかかるべきである。そのためにも補修工法の一貫性が重要な要素となる。

補修方法
 繰り返し述べてきたことであるが、不具合箇所の補修にとりかかる前、目前の大きな不具合に目を奪われて取り敢えず充填補修に着手する。
現場関係者の心情はよく理解できるところであるが、結果的には二度手間であるばかりでなく、仕上げのための生地肌が確保されていない状態での補修は、補修モルタルの色調合の違いを招くことになり、斫り取り再補修という最も悪い施工となる。
打放し補修は刺身料理と同じで、手を付ければ付けるほど不味くなる。
次に一般的な不具合箇所の補修方法を述べる。

 次回は建築技術1995年10月号、特集「コンクリート工事/困ったときのノウハウ集」、「不具合が発生したときの対処」の内、最終回「補修方法」から「大気汚染対策」をご紹介します。

 さてこの年の重大ニュース、12月8日福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の原子力発電所(高速増殖炉)「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が発生しましたが、事故に対し動燃はうその報告を繰り返し出したため、動燃の体質が大問題になりました。

 それでは次回をお楽しみに!

 打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
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by pikayoshi72 | 2009-05-11 07:24 | ブログ


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