「打放しコンクリートと共に」 その(66)

こんにちはpikayoshi72です。

 今回は月刊建築仕上げ技術1994年8月号,特集「エフロレッセンス-そのメカニズムと対処療法」の内最終回「再発防止技術と仕上げ」2.打放しコンクリート再生仕上げ および「おわりに」をご紹介します。

再発防止技術と仕上げ
2.打放しコンクリート再生仕上げ
 各々の発生源であるエフロレッセンスの再発防止処理を施した後、中性化した打放しコンクリートの耐久性と新築時の意匠性付与を目的とした再生工法を述べる。

①表面清掃・脆弱層の除去
 コンクリート表面に付着した汚染物や苔などを高圧洗浄(200kgf/cm2)により除去する。鉄筋の錆汁は科学洗浄剤による併用洗浄とする。
e0030813_724680.jpg

②コンクリート強化剤の含浸
 コンクリート乾燥養生後、無機質浸透強化剤を刷毛またはローラーにて400g/㎡を2回に分けて含浸塗布する。風化したコンクリート表層部分を緻密化し、また耐酸性を向上させることにより中性化の進行を防止する。
e0030813_7242441.jpg

③露出鉄筋箇所の斫り・防錆処理
 鉄筋の腐食が原因となって生じたかぶりコンクリートの剥離・浮き箇所の斫り取り。錆化腐食部分を中心にして腐食鉄筋の裏側に達するよう健全部まで丹念に斫り取る。そしてグラインダー、ワイヤーブラシなどを用いて腐食した部分を十分ケレンし防錆材を塗布する。
e0030813_7244143.jpg
  
④エラスティックモルタルによるひび割れ部充填補修
 重複するが躯体コンクリートに発生したひび割れでエフロレッセンスの析出していないものも含める。ひび割れでエフロレッセンスの析出していないものも含める。ひび割れの発生原因が鉄筋の腐食によらない場合、従来からエポキシ樹脂の注入が効果的といわれているが、ひび割れは常に振動・温度・湿度の変化や不同沈下等によりコンクリートの伸縮挙動が繰り返されているため、注入した近傍に新たなバイパスクラックが発生する。このようなひび割れに対しては、普通モルタルの10倍以上の引張変形性能をもつエラスティックモルタルを使用することにより、ひび割れの再発防止と防水性を付与することが出来る。
 施工はひび割れをUカットし、底部をウレタンコーキング、次にエラスティックフィラーを塗布し、エラスティックモルタルで仕上面まで充填成形する。
e0030813_72506.jpg

⑤調合樹脂モルタルの修整
 欠損部の補修は、その都度躯体生地に合わせた調合樹脂モルタルによる修整とする。調合樹脂モルタルは、接着力・色調・強度・耐候性が高く、また打放しコンクリートの表面の色合いを的確に再現出来る優れた調合樹脂モルタルである。なお表面修整モルタルと躯体の一体化は打放しコンクリートの不可欠条件で高度技術を要する。露出鉄筋廻りのコンクリートを斫り取った部分への埋め戻し(パッチング)は、防錆処理のうえ調合樹脂モルタルを用いて強固に一体化させる。この際かぶり厚を確保するため、鉄筋を内側へ押し込むなどの処置が必要である。
e0030813_7251745.jpg

⑥木コン穴の補修
 木コンは新築時にセメントモルタルによる埋め込みが施されている。経年劣化とモルタルの収縮により、木コンは離脱、あるいは浮いていることが多い。これら木コン穴の残滓を取り除き、新たに底部にシーリングを充填し、接着性・無収縮性・耐水性の優れた調合樹脂モルタルの埋め込みを行う。

⑦打放しコンクリート表面の若返り生地調整・型枠模様造成
 耐候性に優れた数種の顔料・調合材によって、打放し全体の生地調整と型枠模様の復元を特殊刷毛によって施工する。コンクリート打放し仕上げの表面には、型枠から転写された木目模様や型枠の目違いなどが存在するため、再生する上でもこれらをリアルに表現することがポイントである。本システムにおいては、施工物件ごとに建物のコンクリートの生地色に合わせた伸長型セメント系エラスティックフィラーを調合後全面に塗布し、専用に開発された造成道具を用いてコンクリートの素肌を再現し、そこに耐候性に優れた無機質系顔料によって木目模様の造成を行う。この伸長型セメント系エラスティックフィラーは下地のコンクリートに発生したひび割れに追従し、また炭酸ガス・塩分を遮断する機能性下地材である。
e0030813_7253711.jpg

⑧若返り打放しコンクリートの超耐候性アクリルシリコン樹脂系仕上げ
 前記工程を施したコンクリート表面に、超耐候性アクリルシリコン樹脂系トップコートを全面に塗布する。これにより若返り諸工程の保護、表面の汚染防止、防水性能の向上と超耐候性が付与される。
e0030813_7255648.jpg

 次回はPROOF1995年3月号、特集-打放しコンクリートの保護「事例から考える保護工法」をご紹介します。

さて、この年最後の重大ニュースとして松本サリン事件、マスコミの誤報です。6月27日夜、長野県松本市北深志の住宅街で、有毒ガスが発生し、7人の死者と580人の重軽傷者が出ました。 捜査本部は28日夜、被害を受けた第一通報者の会社員宅を殺人容疑で家宅捜索しました。 翌日29日、朝刊各紙は会社員が容疑者であるかのように大々的に報じましたが、会社員は事件への関与を全面的に否定。
 7月3日、現場から神経ガスのサリンが発見されたと捜査本部は発表しましたが、会社員宅から押収された薬品と容器類ではサリンを作ることがほとんど不可能と専門家は否定しました。しかし、マスコミの大勢は容疑者扱いの流れを変えず、その後3月20日に地下鉄サリン事件が起こり、一連の事件はオウム真理教の関与が浮かびあがってきた訳ですが、マスコミが「おわび」をだしたのは10ヶ月以上たってからでした。何ともお粗末な話です。


それでは次回をお楽しみに!

打放しコンクリートについてもう少し詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!
[PR]
by pikayoshi72 | 2009-04-13 07:28 | ブログ


<< 「打放しコンクリートと共に」 ... 「打放しコンクリートと共に」 ... >>